「ゆ、遊園地の券をもらったんだ、仕事ばっかりで行ったことないから、付き合ってくれ」
そういってぼくのほうから誘った。
これは、デートだ。
そう思っていたのに……あいつは違ったんだ。安芸和宏と、久保美佳子を連れてきやがった。
鷹子ちゃんは都合がつかなかった、と抜かしたからきっと全員で行くつもりだったのだろう。券は二人分しかない。そういったところで久保美佳子がじゃあ全員で割り勘しましょといっただけで終わるのだ。
押 し て ダ メ な ら 、 も っ と 押 す !
ぼくの、勇気をかえせ!
(それでもアトラクションは全部楠木の隣に乗った)(安芸和宏の隣になんか座りたくない!)