解けるように蕩けるやわらかさ。触れ合ったとこもかしこもそんな風に思えて、確かに肌の下に筋肉を感じるのに、そんなにやわらかいなどというのはおかしいだろうか、と自分の思考を疑う。それでも、やわらかいのだ。
 なにが、と問われれば、感情が、と答えるしかない。
 指先から、唇から、額から、肩から、腕から、背中から、頬から。触れ合った個所から流れ込んでくる感情に、こちらの感情も飲み込まれて、一緒になって、互いに流れあう。そうして、心の奥底の凝り固まった頑固な感情までもがするりと解けるように蕩けてゆくのだ。
 感情の奔流に逆らえずに、流れに身を任せてそのまま触れ合う。ただ、いとおしいと感じるままに、笑いあう二人の中がこんなにも感情の奔流に突き動かされているなんて誰が知ろうか。……いや、笑いあう二人だけが知っていればいいのだ。オレたちは二人の感情が一緒くたに流れていくのに身を任せば良い。そうして、笑いあえているのだから。

メルティ