綺羅綺羅と輝く無数の星が頭上に広がっている。星明りでまわりがよく見えるが、迷路の中を歩いているかのように幻想的だった。地面には柔らかい草が生えていて、踏みしめる度にさわりさわりと小さな音を立て、まるで異世界に来てしまったかのようなそんな不思議な心地になる。
――まるで世界にひとりきりだ。
深く息を吸い込んで、心の中でつぶやく。誰もいやしない、オレ一人の世界。
そう思った次の瞬間、世界を切り裂くかのような、強烈な輝きが一気に現実に引き戻した。天に輝く星よりもまぶしく笑う顔でこちらにライトを向ける姿に、へらりと笑い返す。
そう、ひとりきりではないのだ。いうなれば――ふたりきり。
夜空に惑う
瞳の中に踊るサンカクが、きらりと煌めいた。