幽く眩い暉が一成の右目の端に映る。一成が心の中でいつも「彼」と呼び習わすその人物が愛用している耳飾りの煌めきだ。彼の耳飾りは、風呂でも寝るときですらも外されたところを見たことがなかったので、それがピアスなのかカフスなのかを一成は知らない。
 金の煌めきは綺羅〱と輝く。一成の瞳の中すべてを奪うように煌めいて、瞳は耳飾りの煌めきでいっぱいだった。
 緩やかに、睫毛が描く弧が見えるくらいに緩やかに目を伏せた一成の顔に影がかかる。彼の薄い藤色の髪がはらりと一成の前髪と混ざり、一成の瞳がぱちりと開いた。
 彼と目を合わせた一成は、一目でそれとわかるほどに破顔し、頬を昂揚させる。睫毛同士が擦り合うように混ざって、二人は同時に目を閉じた。

幽く眩い暉

 ここから先を語るのは不粋というものだろう。