ゆきが作ってくれた、さんかく柄のさんかくの形のポーチには、かずのくれたさんかくキャンディが入っていて、腰からぶら下がっている。このポーチは中が二つに分かれていて、キャンディではないもう片方にはすぐになくしてしまう寮の鍵が入っていた。「いくら三角星人でもこのポーチの中に入れてれば忘れないでしょ」とゆきは呆れたように言っていたけれど、ちゃんと中を二つのしきりに分けてくれて、もう片方にさんかくを入れられるようにしてくれるのだからやさしい。
 ポーチにはさんかくクンの刺繍がついていたり、ぶら下げるためのひもがさんかく柄だったり、金具までさんかく! ゆき、すごーい! ってにこにこ喜んでたら、「お礼は一成にいいなよ。アンタのためにデザインしたんだから」って。……かず、オレのためにこんなにさんかくを詰め込んだの考えてくれたんだ、って思ったら、すっごくすっごくうれしくなって、一刻も早くかずに会いたくなって、かずの部屋に飛び込んだ。そのままの勢いで抱き着けば、不意打ちだったからか、そのまま一緒になって倒れこんでしまう。
「かず、かず、ありがとう! だーいすき!」
「へっ⁉ なに……ってテトラポーチか、なかなかイイカンジにできたっしょ〜? ゆっきーのおかげももちろんおっきいんだけどねん」

テトラポーチ

 ぎゅうぎゅうと抱きしめて感謝を表して、一緒に笑いあった。