頬杖をついてじいっと見つめる視線に耐えかねて、「なに?」と尋ねる。振り返った先は、にこにこと楽し気に微笑んでいて、こちらの気などお構いなしに鼻歌でも歌いそうだった。
「んー、かずが絵を描いてるのを見るの、楽しいな〜って思って」
「……にしても、見すぎじゃね?」
「そんなことないよー」
 やっぱりにこにこと本当に楽しそうにしている姿に、いや楽しいならいいけどね、と半ばヤケクソにそう思う。見られているこちらとしてはたまったものじゃない。なにせ、片思いしているのだ。そんな彼にじいっと見つめられて、動じずにいろ、なんて鬼畜すぎるでしょ、どう考えても。
 ため息をひとつこぼして、パソコンに向かった。気にしない気にしない、と念じようと、ビシバシと刺さってくる視線はやっぱり逸れていないことがわかってしまう。今は目の前の絵に集中しよう、と決めて画面に視線を戻したオレは、気が付かなかったのだ、微笑んだままこちらを見つめる瞳に、オレと同じ色が宿っていることに。

同じ色を宿した