「なあ、好きって言えよ」
 もどかしくて苦しくて、ついそう口に出した。なんで上からなの、と目を細める月島に、なあと催促する。それでもため息を吐いて「嫌」と一言だけ放った。
 はっきりと言われた言葉に眉間にしわがよると同時にひどくいたたまれなくなる。ああ、コイツは俺のことが好きじゃないのだ。俺が好きだと言ってもうん、だとか知ってる、だとか、具体的に言葉を返してくれたことがない。
 相当ひどい顔をしていたのか、眉間に指を伸ばしてデコピンをした月島は、小さく苦いものを噛み潰したように笑った。なんでそんな顔してるの、と言われてますます眉間にしわがよるのを感じる。
 しわを押す月島の指がそれこそ埋まってしまいそうだと思ったし、いっそそのまま埋まってしまえばいいと思った。
「"好き"じゃないんだよ」
 小さく唇を感が俺に、そっと舐めるように唇を寄せて「あいしてる」そう笑った月島に、やっぱり悔しくなってかみつくようにこちらから唇を寄せた。

好きっていって