ジージーと蝉が鳴く。
ぼくはソーダアイスをかじりながら、学校の宿題と『体調不良』で休んだ補填分の課題を片付けていた。
あいつはごろごろと転がりながら器用にゲームをしている。
どうもちらちら目に入って気になるのは、ぼくだって高校生だからなのだろうけど、大学生ってこうも暇なものなのだろうか。
こいつは留年とかしそうだな、そんなことを思いながら着々と仕上げていく。
中学生の時と違って、工作だとか、美術だとかがない分楽に片付く。
ふぅ、と一息いれるとソーダの缶を出しに冷蔵庫へといく。
戻ってくれば、あいつがぼくのコーラは?と聞いてくるが、自分で取りに行けと一蹴する。
ええー、と不満げにこぼすさまが少しかわいそうになるが、
「あつくて、溶けそう。」
などと言うから。
ぼくはいっそ溶けてしまえば瓶に詰めてもってかえれるのに!と思ってしまって自分の思考にツッコミを入れたくなった。
ぼくはいったいどうしてしまったのだろうか。
こんなやつにこんなことを思うだなんて!

「あつくて、溶けそう。」

(ぼくの思考が変にならないようにとコーラを持ってきてやった)(感謝しろよ、だなんてぼくはいったいなんなんだろう)