「馬鹿!無謀に突っ込んでくやつがどこにいる!」
頭越しに怒鳴れば、あいつは怒鳴り返してくる。
「飛鳥井が危なそうだったからかばってやったんだろ!」
いつもこうやって怒鳴りあって、喧嘩して、そうやって顔をそむける。
でも、お互い(…だと信じたい)がお互いを気にしているのは感じているはずだ。
どうしてぼくたちは、こんなに気になりあっているのだろう。
歩み寄ってくるのは、あいつ。
年上らしく振舞いたいのかなんなのかよくわからないが、それでも歩み寄ってくる。
ぼくはそれが嫌じゃない。

これって、友情?

(友情であるかもしれないし)(ないかもしれない)