ベッドにはいって、一日を振り返る。
なんだか疲れた一日だった、そうため息を吐けば静かな部屋へ少し響いた。
一日の反省をし、明日からは気を付けようと心に決め、目をつむる。
ゆったりとまどろみが押し寄せてくるが、眼の中を塗りつぶした色が黄色で。
それが誰かを彷彿とさせるなんて言わずもがなだった。
いらだたしげに寝返りをうつが、やはり眼裏に浮かぶあいつは消せなくて、ふわふわとした笑顔を浮かべて鈴男、と手を振っている。
ぼくの名前は、と口に出しかけたが、ベッドの中だと自分を押しとどめ思うだけにしておいた。
笑顔なんか振りまいて、かと思えば拗ねたような顔を見せて、つかみどころがない。
無限に広がってゆく思考に、寝ようとしていた気すら薄れていった。

目を閉じればきみが浮かぶ。だから今日は、眠れない。

(そうしていつのまにかおとずれたまどろみの中で)(ぼくの頬が緩んでいたことは、)(ぼくだって知らない)