「おまえなんか嫌いだ」
そういった瞬間の、少し目を見開いて、傷ついたように苦笑した一瞬がぼくをくるしめた。
「ぼくだって、おまえなんか好きじゃないやい」
苦笑したのが見間違えだったかのように、ぶすっとした表情で言ってのけるその言葉が、想像以上にぼくに重くのしかかった。
ひねくれた言葉だったとわかってる。
つい口から出てしまった言葉だとわかってる。
それでも、ぼくの口からでてしまった、言葉が、ぼくを追い詰めたのだった。

おまえが嫌いと言ってみたら自分まで傷ついた

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(どうしてこんなこと言ってしまったのだろう)(どうして、どうして)