仕事に行く前に、必ずといっていいほど、あすかいは鈴を軽く鳴らす。
それは、音色が澄んでいるかやおかしくないかを確認する癖のようなものだと言っていたのだけど、小さな鈴を一つ一つ確認していくさまが面白いとは思わなかった。
自分の鈴を軽くゆらして、澄んだ音色に満足そうに小さく笑ったあすかいが、どうしてか

可愛い、なんて思ったのは秘密。

(はぁ?と言って一気に可愛くなくなるし)(もうすこし見ていたいし)(――なぁんて)