隣を歩くあいつの手に、そっと手を伸ばしてみたくなることがある。
町を歩く普通のカップルのように、手をつないで歩いてみたいと思ったことないわけではない。
でも、なんだかその手を取れないのは無性な恥ずかしさが邪魔をするからで。
男と女、で。手をつないだっておかしいことは何もない。
あいつは童顔で、きっと兄妹に見られることだってない。
ぼくとあいつは付き合っていて、手をつないでおかしい関係でもない……、はずだ。
それでもいろいろ考えてしまって、結局つなげない、なんてままあること。
意を決して手を伸ばしても、いつもタイミングが合わない。
今だって、あそこが、と指をさすタイミングと全く一緒で、空振りに終わったのだ。

手を繋いだらわかる事

(があるなら、いやでも繋いでみせる)(次こそは、)