隣をあるくあすかいの手を、握って歩きたいこともある。
恋人同士で歩くのだから、手をつないだってなんら不思議じゃない、だろう。
あすかいだって(勘違いじゃないなら)ぼくの手に手を伸ばしてくるのだから嫌じゃないのだろう。
それでも、その手を避けてしまうのは、その手を握れないのは、つないだ手からぼくの気持ちが全部、伝わっていきそうで怖いから。
そんなことはない、ってわかっているけれど、妙にいろいろ感づくあすかいのこと。
てのひらから伝わってしまうこともあるんじゃないかとこわくなる。
好きすぎて、ぼくの気持ちが大きすぎて、どうしたらいいのかわからないこの感情が、あすかいに伝わってしまうなんて、そんな恐ろしいことできやしない。

手を繋いだらわかる事

(なんて、)(ぼくが伝えたいときに伝えられないのは、)(すこしだけこまる)