今日あった嬉しかったこと、楽しかったこと、頑張ったこと。それに誉めてもらったこと、スッゲーって思ったこと、それから、だいっすきな気持ち。
 寝る前に、全部を便箋二枚にまとめる。二枚って決めたのは、いつまででも書いちゃえるって思ったのと、書いてると朝起きてからついさっきまで、ぜんっぶ書きたくなっちゃうからだ。短く、短くしなきゃ。
 あんまりキレーじゃないけど、なるべく丁寧に。ソッケナイ白の便箋じゃなくって、くまっちのハイパーカッコいいヤツ。毎日、色をかえてカラフルに。
 全部全部まとめて、書けたらいちおー最初から読み返す。前に、『四季はちゃんと出す前に読み返そうね』って言われたからだ。あんとき、頭抱えてたからたぶん、ソートーひどかったんだと思うんだけど、アレは自分でもわかってたから許して欲しいトコロっす。
 読み終わって、ヘンなところがなければそのまま半分に折って、横に置く。そんで、封筒を取り出して、まずは自分の名前。サインみたいに『シキ』だけじゃなくて、これはオレ個人のだから、ちゃんと『伊瀬谷四季』って書く。
 それからオモテに返して、真ん中に、『プロデューサーちゃんへ』って書く。上のはじっこに、今日の日付をいれて、そんでおしまい。
 机の引き出しの、一番下。鍵がかかる、この引き出しの中には、デッカイお菓子の缶が入ってる。そのなかに今日の分をいれて、満足した。
 プロデューサーちゃんに、出さない手紙を書き始めたのはいつだったか。最初は全部、会ったとき、会えなかったときにはラインして、ってそうやって伝えてた。でも、プロデューサーちゃんが疲れてるときなんか、そんな無理して聞いて欲しい訳じゃなくて、なんっか違う気がして、もやっとした。
 伝えたいんだけど、でも伝えたくない。そんなとき、全部全部、そんなものつめこんで、手紙にしちゃえばいいんだ! って気が付いた。子猫ちゃんや野郎共からの手紙って、やっぱりいつでも読み返して、そのときの熱を共有できて、スゲー! ってなるから、そうやってオレの気持ちも手紙に込めちゃえばいいんだ! って。そんで、プロデューサーちゃんが都合のいいときに読んでくれればそれでよかった。
 でも、プロデューサーちゃんは渡したらすぐラインくれるし、ラインじゃなくても次の日にはちゃんと感想くれて。違う、そうじゃない! って、言えなくて。
 だから、出さないことにした。
 いつかいつか、プロデューサーちゃんと二人で、なーっんもしないでゆっくりできる時があれば、二人で読んで、そんで、思い出しながらオレも話して、プロデューサーちゃんも笑ってくれて、って思い描いてる。

いつか、そんな日が

 いつか、そんな日がくるといいなぁ、と思うから、これからも頑張るっすよ、プロデューサーちゃん!