ふわりと風になびく髪を見て、トリオン体は一体どういう技術なのだろうか、と改めて疑問に思う。現実世界のデータすらもすべて計算されて再現されているのかと思うと、技術部門の変態さには感嘆のため息しか出ない。
 くるりと翻った裾から、アステロイドが散っていく。きらきらと輝く弾道は、花火か流れ星のように艶やかに瞳に焼き付いた。着地して落ち着いた裾が、アステロイドを発すると同時にふわりと浮く。
「さーて、こっから。……だろ?」
 にやりと笑ったそれにこたえる間もなく、煌めく弾道が放たれた。


アステロイド