ジャーファルさま、と呼ぶ声に振り返れば、君が優しく微笑むものだからつい私の頬も緩むのだ。女性らしい高い声というわけではないアルトの耳に心地いい声に、一を言えば十わかってくれる察しの良さ、間違っていることは躊躇なく指摘する潔さ、仕事への真摯な態度、それらのすべてが私の心を優しく包む。
 暗殺者からシンの配下に下った際に、これ以上幸せなことはないと思っていたが、そういったドキドキやワクワクとは別の、心地よさを感じられる日が来るとは思っていたなかった。

君が優しく微笑むものだから

(私の心はゆったりと癒されていく)(いい部下を持ったものだ)
――ジャーファルさん、それって……。
――しっ! ヤム、ジャーファルさん絶対気づいてないって!
――そうよねぇ……。
(ヤムさんとピスティの会話/絶対それって"いい部下"に収まらないよねぇという会話)