もっといっしょにいたい、なんてどうして思ったのだろう。昨日も、おとといも、さきおとといも、というかさきおとといから徹夜でずっと一緒にいたわけで、いまさらもっといっしょにいたいだなんて自分が莫迦みたいだ。
 今日やっと終わったのだから、誰もがとっとと帰って睡眠をとりたいに決まっている。それなのに……なぜだか名残惜しいと思ってしまうのだ。
 明日は私以外の徹夜明けメンバーは仕事を休みにしているため、会えないと思っているからだろうか。どうしてこんなにも。
「では、お先に……」
「一緒に夕食でもどうですか?」
 あ、と思う前に口から言葉が転がり出た。口から飛び出してから言ったことに気が付くなんて、ウェルテのきょとんとした顔が心に刺さる。
 ええっとですね、お疲れでしょうから、おごります、なんてあわてて付け足したが、余計怪しいんじゃないだろうか。私はいったい何を考えているのだろうか。
 そのとき、ふわりとウェルテが微笑んで笑いながら言った。
「はい、ありがとうございます」
 でも自分の分は自分で払いますよ、と眉間にしわを寄せるウェルテに笑みを誘われる。では行きましょうか、と声をかけて執務室を出た。

もっといっしょにいたい

(ごはんが、)(いつもよりおいしく感じて)