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「お手をどうぞ、」
そういって手を差し出すジャーファルさまはひどく優しい目をしていて、心臓が変な方向へと跳ねる。そっとその手に手を重ねると、すっと顔を近付けて乗せられた私の指先へと唇を寄せた。
触れられた指先が熱を放ってあつい。
優しく笑ったジャーファルさまはぎゅっと手を握って、私を軽く引いた。風に踊るクーフィーヤが、私の視界を遮る。
夜空に煌めく星が、そっと私たちを照らした。
月明かりに揺らぐ、
(眩しいのは月明かりか、)(それとも、)