仕事が一段落つき、今日の政務が終了した。業務時間はもうしばらくあるだろう、と日の高さを見ながら、明日以降の仕事から早めに処理するべき案件を手元に手繰り寄せ、書類をめくる。
 めくり始めてから、はたと下から上がってくるはずの案件がいくらかまだ来ていないことに気付いた。手元の書類を片付け、なにか不備があるのだろうかと部下の下へと赴く。
 何かしらの不備であるのか、と問うたところ、どうやら担当が引き継ぎをせず休んでしまったらしい。ざっと内容を見、自分でどうにかなることを確認して私が処理しておくことを告げた。
 ほっとしたようにお願いしますといった部下も、今日が締め切りなことを心配していたのだろうか。どうも上司がいないと気が抜けるらしい。
 上司が帰ってきたときに書類や案件の心配をさせないようにという心遣いはできないのだろうか。はぁとため息をつき、書類をまとめて自分の席へと戻った。

 すべての書類を処理し、まとめたところで業務時間が終了する鐘が鳴る。ちょうど良いとばかりに席をたち、先に失礼した。
 部屋へと戻るも、執務室とさして変わらない風景が広がる。多い私物のなかでも、巻物や書類がそのほとんどを占めているためだ。
 官服を脱ぎ、楽な寝巻きへと着替える。部屋の中にいるときはほとんどこの格好だ。楽なのが一番である。
 ここ最近の執務を振り返り、ベッドへとダイブした。目をつむって、ジャーファルさまを思い浮かべる

目をつむって

(早く帰ってきてください)(疲れた)