「知ってるか、今日は異国の地では偉人の生誕を祝った聖誕祭を開くらしいぞ」
「はいそうですか、こちら明後日までに処理していただく書類です」
「無視か!」
「あとこちらが年末までに処理していただく書類ですね、ではよろしくお願いいたします」
 頭を垂れ、退出しようとすればジャーファルを呼んでこい! と怒鳴られる。あきれた視線を向けたはずなのに、一瞬だけたじろいだあと、ひどく眉間にしわを寄せて呼んで来いと重ねて言われた。
 はぁ、とため息なのか返事なのか曖昧なものを残して私は執務室へと踵を返す。
「というわけで、王が呼んでおります」
「……はぁ、すいません」
 げんなり、という顔が最も似合うような顔で、ジャーファルさまは王の執務室へと足を向けた。

思い付きで増える仕事