「つっきこぉ〜! みてみて〜」
「翼君……っ!?」
 見学が終わって、寮まで月子先輩と一緒に帰っている最中に『何か』が目の前を通り過ぎていった。『何か』は……なんだろう、機械……のうさぎ?
「ゴリラーマンを基にして作ったお掃除マシーンうさうさくんだ!」
 そう言いながら機械に近寄った人(大きい!)は月子先輩のもとによると、私に気がついたのか、きょとん、としたようにぬ? と言いながら首をかしげた。大きい人だ、ひどく見上げる気がする。先輩だろうか?
 月子先輩が私を指しながら、弓道部の新しい後輩だよ、と私を紹介してくれた。星咲智里です、と頭を下げると、どうも……とおずおずと頭を下げてくれた。人見知り? なのだろうか?
 月子先輩が大きい人を紹介してくれる。生徒会会計の天羽翼先輩(二年生の先輩だった)、だそうだ。(月子先輩の後輩なのに月子先輩のことは呼び捨てなのか……不思議)
 そういえば月子先輩は生徒会の副会長だったとさっき話していた気がする。ってそんなことよりも、その天羽先輩が持っているうさぎ(うさうさくん?)が気になって仕方がない。
 自律的に動いてたけど、回路が組んであるのかな。じっとみていたらおずおずと気になるのか? と聞かれた。こくりとうなづいて、どうやって動いているんですか? と聞いたら、きょとん、とした後、ひどく嬉しそうに笑って教えてくれた。

ファーストコンタクト

(翼君これ爆発しないよね!?)(星咲さん巻き込んじゃ駄目だよ!)
(ぬぬぬ、今日は爆発しないのだ!)
(爆発…ってことは回路使ってる?)