「ちぃに似た葉っぱ見つけたー!」
 翼先輩が落葉をたくさん抱えて持ってくる。どこが似ているのかはさっぱりわからないが、似ているといわれるとなんとなく愛着がわいてくるものだ。
「こっちがちぃで、こっちが俺!」
 にこにこと笑いながらてのひらに乗せられた葉っぱは二つともどこか不格好で、なんとなく微笑ましく思える。あげる、と私のてのひらに乗ったふたつの葉っぱは、翼先輩の手に乗っていたよりも大きく見えた。
 そっとカバンの中から本をだして、真ん中あたりのページにふたつならんではさんでしまう。先へと進んだ翼先輩を追いかけるように足を進めればなにやらごそごそと発明品を設置していた。
「きてきて!」
 にこにこしながらいっけーとスイッチをいれた発明品は、地響きをたてて爆発した。まだ木に残っていた葉っぱがはらはらと落ち、地面にあった落ち葉は舞い上がって空を埋める。
「うわぁ……!」
「ぬっしっし、きれーだろ!思ってたのとはちょっと違っちゃったけど、これはこれで成功なのだ」
 いろんな色がひらひらと舞い散って……いつもの山の中とは全然違った。ぬはは、と笑う翼先輩の笑顔がきらきらして、舞い散る落ち葉が輝いて――私の視界は、希望でいっぱいになる。
「ありがとう、ございます」
 うぬ、と目を細めてうれしそうにいとしそうに微笑む翼先輩に心がほっこりとあたたかくなった。翼先輩と手を繋いでゆっくりあるく帰り道は、ひさしぶりに感じる安らぎの時間となる。
「翼せんぱい、」
「うぬ?」
 ぎゅっとつないだ手を握って、笑って、わらって。
「ありがとうございます」
「うぬ!」

きらきらの落ち葉

(泣いてしまいそうになるくらい、)(翼先輩があったかくて)(あったかくて)