「わーーー!?」
「わ、綴くん!?」

ゆらちゃんは今日、紬くんと一緒におりました。お外にお散歩に行って、寮まで持って帰ってきたタンポポの綿毛を、中庭でふうっと吹いたところに、まさか綴くんがやってくるなんて思いもしなかったのです。

「何すかこれ、タンポポ…?」
「わあ。づゆ、わたげだらけー!」
「ゆらさ、んのせいだろ!」

綴くんはまだ、ゆらちゃんを呼び捨てすることに慣れません。しゃがんだ綴くんにわしゃわしゃと頭をなでられてきゃっきゃっとはしゃいだあと、「わたしがとる!」と、綴くんにひっついた綿毛をちいさな指でひとつひとつつまんで取っていきます。

「ごめんね綴くん、俺が気付かなくて」
「いえ、全然いいっすよ、こんなの」
「づゆ、うごいちゃだめー」
「はいはい、ごめん。取ってくれてありがとな」
「づゆ、たんぽぽになっちゃうー」
「なっちゃうなー」

かわいいなあ、と、紬くんは口元を緩めてその様子を眺めているのでした。

「何してるんだ、紬」
「あ、丞。ほら見て、二人とも可愛くて」
「ああ……鴇田か」

「これつけといたらゆらにたんぽぽさく?」
「咲かない。取るぞ」
「あー!」

「可愛いね」
「……そうか」


「つむ、またいっしょにおさんぽいこうね!」
「うん、いこうね。楽しみにしてるよ」
「わーい!」
「ふふ」