| 人の世界というのは何とも色鮮やかで昼夜を問わずカラフルだ。自然も人工的に作られた光も衣服も建築物も。様々なものが様々な色で溢れかえっている。 それが美しいと言う人もいるだろう。それが煩わしいと言う人もいるだろう。 時に色は人の心を惹きつけるだけではなく傷つける。理由の大小を問わずに。きっかけは様々。 ならば多色な世界などなくても良いのではないか?いっそ一対の反対色のみの世界があれば傷つかずにすむのではないか? そんな憶測・希望・夢などから出来上がったのが【モノクロのセカイ】。 なんともストレートな名前だがそこにはクロのセカイとシロのセカイに住む兎人…【とじん】または【とびと】と呼ぶべき者たちがいる。彼らが生まれたのもモノクロのセカイが出来上がったのと同様の理由。しかし彼らはモノクロのセカイと同じくすでに人の世界からは切り離され独立したセカイを築き上げている。そう、いわば人が宇宙に生物がいないかと夢を見てロケットで飛び出し探し求めていたもののような存在。 しかし作り出したのは人の世界に生きている人々とはなんとも悲しきことか。その存在すら人々は知らないのだから。そして彼ら兎人は人々とは違い、人の世界を認知している。 【ああ、今日もなんて騒々しい世界なんだ】 【あっちの世界は見るに堪えないな】 そんな彼らの住むモノクロのセカイに行くにはどうしたらいいのか。それは迷い込むしかない。 確かな場所も何もかも人々の手では探れないのだから。そう、つまりは運。それが幸運なのか悪運なのかは迷い込んだ人のみぞ知るーーー |