▽東

「ひゃん!?」

両耳にするりと冷たいものが触れて、談話室だというのに大きな声を上げてしまう。大袈裟に震えてしまったうえに、談話室にいる人の視線を独り占めだ。わたしに触れたのが手だということはわかる。
振り向いて、わたしの顔を掬うように手を添えているのは、東さんだった。

「あ、あずまさん、」
「ふふ。ゆらは感度がいいね」
「かん、」

くすくすと、わたしなんかよりずっと上品に、東さんはソファ越しにわらう。くらくらはらはらしているわたしに、東さんは可愛いね、とそう言って、するりと頬を撫でた。漏れそうになった声は必死に噛み殺す。また楽しげに笑ったあと、東さんはどこかに行ってしまった。

横でゲームしてた至の膝に崩れ落ちた。かたい。

「東さんがわからない……」
「………ゆら」
「はずかしいから喋らないで……」
「……(よしよし)」