頂上決戦
〜頂上決戦〜
モビーに飛ばされる。見張りをしていた人に見つけられ、隊長たちに連絡する。少しの間だが一緒に旅をした仲間のことを誰1人忘れていない。
セレネだ!となり、ざわざわし出す。
「セレネ!おい!大丈夫か!?」
『…ぅ、ん、』
周りのガヤガヤにうっすら意識が戻ったセレネ。
はっきり覚醒すると、自分を囲んでいる見覚えのある顔。
「無事か?」
『何で、ここに、』
「それはこっちが聞きたいよい」
マルコの問いに思い出しながら全て応えていく。シャボンディ諸島にいて、バーソロミュークマに飛ばされてしまったこと。
セレネの話を聞いていた周りの人たちは、暴君のクマと対面してよく無事だった、と。
ふと、周りを見回すがいつも自分のことを可愛がってくれたナースたちが誰1人見当たらないことに気づく。
『あの、ナースさんたちは?』
「みんな船を降りたよい」
『えっ、どうして、』
もしかして白ヒゲの体調が良くなった?マルコ1人で対応できるようになった?とか考えるが、何やらそんな雰囲気ではなさそう。
そんな時、部屋に篭りっきりだった白ヒゲ本人が船員からセレネのことを聞きつけ甲板に出てきた。
「グララララ、久しぶりだなぁ、セレネ」
『うん、久しぶりだね』
繋がれた線はやはり健康体ではなさそうで。船を降りた数ヶ月の間に何があった?
キョロキョロ周りを確認し、疑問を口にする。
『えっと、エースは?まだ戻ってないの?』
エースの名前を出した瞬間、みんなが視線を逸らし、口を閉じた。
「…知らねえのか」
『え?』
白ヒゲの言葉、それにマルコが隊員から受け取った新聞をセレネに渡す。
そこに書かれている、エースの公開処刑という文字に、思わず新聞を持つ手に力が入り、ぐしゃりと握ってしまう。
『しょ、けいって、』
と言うことは、この状況がセレネは理解した。戦場へ行くと、それは間違いなく処刑されるエースを助けに行くため、海軍本部へ向かうことなんだと。
それを知ったら、セレネはもう大人しく次の島で降りる気はなくなった。
新聞から目を離し、セレネを見ている白ひげをじっと見つめ返す。
『わたしも連れて行って』
落ち着いた、少女とは思えない声。
白ひげ以外はまたまた驚きの声をあげる。白ひげが何故か理由を問う。
『エースに会って、少ししか一緒に過ごせなかったけど、、死んでほしくないの、何か出来るかもしれないのに、何もしないままなんて、、そんなの嫌。お願い…!』
真っ直ぐ見つめて最後に頭を下げる。
ただ、セレネが初めに告げた、少ししか過ごしてない、という言葉に反応した人が多々。
「お前っ、!エースと一緒にいた女か!?」
『どの女かはわからないけど、一応、』
「おいおい、まじかよい」
『あの、、』
「いや、エースがお前のことをよく話していたんだ」
大事なやつだって、と告げたマルコは懐かしそうに目を細めた。
そして、今まで黙っていた白ひげが口を開いた。
「小娘、お前にとってエースはどういう存在だ?」
『…わたしの生きる理由になってくれた人』
「連れていくのは構わねえが、戦場で命を落としても俺ァ知らねえぞ」
『っ!ありがとうございます!!!』
この船の頭が言うことには誰も文句は言わない。
セレネを歓迎し、ナースもいなくなった唯一の女性に華が戻って嬉しいと喜ぶ人もいた。
戦場までは雑談をしたり、作戦の打ち合わせを念入りにしたい、と忙しない日だった。
そしてとうとう、潜水して浮上した先は、海軍本部のど真ん中。
海兵も集められたのかかなりの数で、七武海も六人揃って、大将も三人構えている。
白ヒゲの能力始まった戦争。青雉が地震により起きた津波を凍らせて、海が氷の地面に変わる。
そして黄猿の攻撃をマルコが防ぐ。それから各々戦場へ駆け出し、戦闘を始める。
『すううう、、、はぁ、、』
行く前に心の準備はしたが、本格的な戦争は初めてだ。元いた世界では、モンスターと戦っていたが、人間とここまで争ったことはない。
緊張していないと言えば嘘になるが、だからと言って終わるまで黙って見ているつもりもない。
目立たないようにラフな格好をしていたが、この世界に初めて来た時の制服と帽子をホルダーから取り出し、着替えは済ませている。
『…よし』
帽子をかぶり直して船内から外へ出る。船内にいるよりも大きな音、銃声、刀がぶつかる音、声が鮮明に聞こえる。
甲板に立っている白ひげに近付き、声をかけようとする前に白ヒゲから大丈夫かと問われる。
『はい、いけます。あそこにエースがいるなら、私が向かう場所は変わりません』
「グララ、随分肝が座ってやらァ」
『ふふっ、伊達に長く生きてませんよ!』
「…なるほどナァ、見た目は詐欺ってわけか」
『失礼ですね!…本当に、連れてきてくれてありがとうございました!…いってきます!』
モビーから飛び降り、着地をする。海の一面は全部凍っていて滑りはするが、重力を操れるセレネには地面と対して変わらない。
エースに近付くために一番早いのはこのまま飛んで行くことだが、手錠を外す鍵がない。まずはそれを誰かから奪わなくては。
モビーからまた一人、降りてきたことに周りの海兵が数名気付くが、たった一人、そして女性ということに動きが止まった。
セレネがホルダーから解除した薙刀を取り出して構える。
「あ、あ、あれはっ!!、魔女だア!!!」
「なぜ奴が白ひげの船に…!?」
この服装で全てバレる。それでも、普段の格好より、こっちの方がちゃんと戦える気がした。
剣を手に振りかぶってくる海兵を峰打ちで倒していく。重力を加えた峰打ちはそこらの海兵だと簡単に気絶まで追い込める。
ただ、セレネの魔法では一掃できない。友人達みたいな氷や雷、炎、海を扱えるならどれほど良かったか。
足を止めることなくエースの元へ走りながら、来る敵は倒していく。たまに遠距離で銃を当てられるが、擦る程度なので自己回復が間に合う。
「おい!あれ何だ?」
ちらほら空に視線を向けると、船と数名の人が空から降ってきている。その中には麦わら帽子がトレードマークのルフィも。
『っルフィ、!』
皆が悲鳴をあげながら氷の上にうまく着地したり、海の中に飛び込んだり。海の中に落ちてしまったルフィを追いかけようと高く跳び落ちてしまった近くの氷の上に着地する。そしてそのまま飛び込もうとしたが、ジンベエがルフィとバギーを抱え地上に戻ってきた。
『ルフィー!!!』
「ぅ、ぐ、、」
ジンベエに少し警戒されるが、女でひ弱そうに見られているのか攻撃はされない。
海に落ちて力が抜けたルフィが徐々に意識を取り戻す。目を開けると目の前にセレネが。
「はっ!!…なんだセレネか」
『ルフィどうしてここに、』
「て、セレネー!!?お前っ、無事でよかった!」
あのシャボンディ諸島での悲劇は忘れられない。目の前で次々と消えていった仲間の1人であるルフィやセレネがお互い会えて本当に嬉しいのが伝わる。しっかりバグもする。
「てか何でここにいんだ?」
『私のセリフ、、。エースを助けたくて、ここに来たのっ』
「エースを、、そっか、ありがとな!!!」
これだ、ルフィがきた。これでもう負けない。その自信が出てくるセレネ。
それから軽く脱獄組とは会話をして、エース奪還を目指す。
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