頂上決戦



〜頂上決戦〜続き


先陣を切って走るルフィのすぐ後ろに続くように走るセレネ。脱獄組と話したときにルフィはエースを助けるためにインペルダウンに潜入したと聞いた。そこで死にかけた、とも。これ以上負担をかけないためにもそばにいる。

イワンコフにホルホルの実で再び無理やり戦えるようにしてもらう。その時手をギュッと握り短時間でできる限りの傷を癒す。

そしてなんやかんやエースの元へ辿り着く。


「エースっ!!」
『エース!』

「ルフィ、セレネ、おまえら、」


エースを助けるための錠の鍵をハンコックから受け取ったが、開ける前に鍵を黄猿のビームにより折られてしまった。

センゴクが大仏になり、金色に輝く大きな拳を振りかぶった。
そして処刑台にはミスター3が。鍵は彼が蝋で作ることができる。あとは無事にその状況を作ることだけ。


『っ、わたしが!!!』

「頼むセレネ!!」


薙刀を異空間に消して、拳を構える。センゴクの拳とセレネの拳なんてどう考えても抑え切れるものではない。
しかし、それはただの人ならの話、


『ふっ、ぅくっ!』


今ある魔力を全て、この拳だけにおくる。唯一自分が昔から使えた魔法、重力で重い拳をなんとか受け止めるが、足場の処刑台は耐えきれなかったようで、崩れてしまう。
落ちていく中、ミスター3が鍵を作り、ルフィに渡し、ルフィがエースの手錠にそれを差し込んだ。そして、セレネ達に向けて大量の大砲が放たれた。炎が一瞬はじけて、爆発が起きる。


「おまえは昔からそうさ、ルフィ!俺の言うこともろくに聞かねえで、無茶ばっかりしやがって!」

「火拳のエースが解放されたー!!!」


炎の中には、エースが掴んでいるルフィとセレネも。ルフィに言葉をかけたあと、セレネに向けて呆れたように微笑む。


「お前もだセレネ、こんなところまで来やがって」

『ふふっ、エース復活だね!』


三人が着地すると四方八方から銃が放たれる。遠距離攻撃が苦手なセレネのために二人が守るように立つ。
その後仕掛けてきた剣を持った海兵にはエースとセレネが迎い討つ。
息のあった兄弟の連携になぜか馴染むセレネ。

そして、みんながエース奪還に成功し、船に引き返そうとするが、海軍に邪魔をされてしまう中、白ひげが一人残る。全員生きて無事新世界へ帰還しろ、これが最後の船長命令だと声をあげる。
涙ながらに従う人、嫌だと駄々をこねるが船長命令に従う人、みんながみんな、その言葉を糧に船に走った。

エースに一言、俺が父親で良かったか、問いかける白ひげ。当たり前だと答えるエース。
このまま船に戻り、逃げればいい、そうなるはずだった。


「所詮白ひげは時代の敗北者じゃけ」

「取り消せよ、今の言葉…!」


赤犬の挑発にのってしまったエースは、足を止める。ふと真後ろの足の音が聞こえなくなり振り返るセレネ。

「この時代の名が、白ひげだァ!!!」


赤犬と拳をぶつけ合うが、マグマと火。相性は悪く勝敗は見えている。そんな中、落ちたエースのビブルカードを拾おうとしたルフィに向かう赤犬の拳。


『っ!まっ!!』


セレネが差し伸ばした手が届くことはなかった。
ルフィが拾おうとしたビブルカードが焦げて小さくなっていく。エースの首飾りが一つ一つ地面に落ちる音がする。エースが口から大量の血を吐く。
それら全て、目の前で起こった事がセレネはスローモーションに感じた。

赤犬が拳を引き抜くと、エースの体にはぽっかりと貫通した跡が残る。そして倒れる体をルフィが支える。さらに赤犬が攻撃しようとしたが、ジンベエが間に入った。


「…ごめんなァ、ルフィ、ちゃんと助けてもらえなくてよ」

「っエースー!!!!」

『な、に、これ、なんで、、』


エースとルフィが最後の別れのように話をしているが、セレネの耳には何一つ音が入ってこなかった。足だけは二人の元に向かっていて、真横まで来て立ったまま二人を見つめる。

何が起こった。なぜエースの体は穴が空いてる。

ふと、エースがセレネの方に視線をうつすと、柔らかく笑った。
「セレネ、オマエの人生の中で、俺と出会ったことなんて、ちっぽけかも知んねえ、、でもよ、生きる理由になれたなら、悔いはねえ…!」
『え、す、、』


「オヤジ、みんな、そしてルフィ、鬼の血を引くこの俺を、愛してくれて、、ありがとう…!!」


なぜエースは泣いている。泣いているのに、目を閉じて口元は幸せそうに微笑んでる。いつも笑顔のルフィがこんなに絶望的な顔をしているのはなんで。



死なないよね、死ねないよね、これじゃあ
未練があるでしょ
すぐに傷が戻って息を吹き返すはず
だってそれが普通なんだもの
死ぬことができない世界なんだから

・・・あれ、その世界は、誰の世界?

あの世界での普通は、ここでは普通じゃなくて

「死んだら二度と、会えないんだ」
「いつか命の重さを知る時が来る」

「俺は生まれてきてよかったのか」

「オレがお前の生きる理由になる」
『?なにそれ』
「オレと飯を食うために生きる、オレと旅をするために生きる、オレがいるから、お前は生きるんだ」
『ふふっ、私の生きる意味が、エースってのもいいかもね』

『じゃあエースが生まれてきたのは、私に生きる意味をくれるためだね』

「セレネ!」


『あ、ああ、っああ、ああああああああああああああああああああ!!!!!』


死んでしまったエース。エースの死に精神的に崩壊したルフィ。
それを見て魔力の暴走が始まったセレネ。

しかしこの場に、セレネが本当の魔女なんて知る人はいないので、突如地面に現れた大きな魔法陣に混乱する。


「何だこれは!?」

「月の魔女の能力か!?」


近くにいた赤犬が危険を察知し、距離を取るために後退する。
暴走したセレネはエースの体を抱きしめていた。誰も近づくことができない中、ふと、気がついた者が。

「お、おい、麦わらとエースの傷、だんだん消えてないか、、?」
「っば、バカ言え!あんな大怪我、」
「確かに、傷が、」
「それに、なんだ、俺たちも、」
「傷が、」

その魔法陣内にいた海兵や海賊たちも体から傷が消える。今まさに息を引き取りかけていた人も安らかな寝息に変わる。
全員が奇跡のようなこの現象に、感動してる中、赤犬だけは、ルフィにトドメを刺しにいった。
それを無意識に庇ったセレネは、あたりどころが悪くて顔半分と上半身上の方無くすぐらいのマグマにやられる。それをみてルフィは絶望し意識を飛ばす。
周りもありえないぐらいに動揺したり、さすがにグロすぎて嘔吐したり目を逸らしたり。
魔法陣が消え、キズの回復も止まる。バタンと倒れたセレネに、誰もが死んだと思い、さらにルフィを狙う赤犬(容赦ない)の攻撃をマルコがカバーする。

そのまま死んでしまったセレネとエースを置いてルフィがハートの海賊団へ。
エースと白ヒゲ、そしてセレネの遺体は駆けつけた赤髪の海賊団へ。
三人の遺体を乗せ、出発して間も無く、セレネの体にほわほわした光が。
全員が武器を持ち構える。しかしそこには体が元に戻ったセレネが。
『…ん、、、!!エースは!!?』
自分が復活したことは理解できたが、ダウンしている間にエースはどうなった!?と焦る。
いやそんなことよりシャンクスたちの目がありえないものをみるような。どう見てもエースよりもエグいやられ方をしている少女が傷も治り目覚めた。
悪魔の実か?
「お嬢さん、キミは…」
『?、あ、はじめまして、セレネといいます』
どうもどうも、とお互い挨拶をする。そしてエースがここにいる、しかし死んでしまったことを告げる。なんならキミも死んだはず、と言うとケロッと『ああ、死ねないんですよ』と告げる。自分とエース、白ヒゲさんを助けてくれた人だし悪い人じゃないだろうと、別に隠す気もないので話す。魔法使いです。この世界とは別の世界です。そこにいけばエースも生き返らせれるのに、、と息を引き取ったエースの手を握りながら言った瞬間に、先ほどとは違う光がセレネの近くで輝く、そしてエースと2人、消えてしまった。
シャンクスはもしかして元の世界に?ならエースはもしかしたら、、と僅かな期待を胸に白ヒゲを埋葬する。

なんで白ヒゲはつれてこなかった?あの人は未練がなかった。清々しいくらい満足していたから、呼び戻せなかった、と。のちの魔女達は語る。


一方、ローによる治療により目を覚ましたルフィは現実と向き合えず、精神崩壊が再び起きようとしていたが、ジンベエに助けられて、強くなるためにレイリーと共に2年の修行を始める。
3日後集合、ではなく、2年後にシャボンディ諸島に集合の意味を示した腕を仲間に見せるためにわざと写真を撮らせて、ニュースに掲載させた。

みんながそれを理解し、2年後のため各々修行を始めた。

残された海賊たちは、魔女が安らかに眠れることを祈って。(生きてること知らないから)

ちなみにあの場にローが助けに来たのは気まぐれもあるが、エースと深い縁のあるセレネなら来るのでは?と予想していた。ルフィとジンベエのオペ終え、ルフィが眠ってる中、ジンベエにセレネのことをさりげなく聞くと、エースと一緒に赤犬に殺された、と。

「あいつが、死んだだと?」
「ああ、赤犬に頭と肩を焼かれてしもうた、」

あの時の状況を思い出して、間に合わなかったジンベエは悔しそうに顔を歪める。

ここでローさん初めてはっきりとセレネに惚れていたと自覚する。失ってから気付くタイプ。


後に頂上決戦のセレネの治癒があってからは、海兵と出会ったとしても、あの時死の淵に居た自分たちを助けてくれた、、という恩があり攻撃できない海兵や密かなファンクラブができている。

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