円堂たちが河川敷で練習してると、お使いついでにサッカー部の練習を見て、アドバイスをかけて去っていく妃鞠。
その時間、通り過ぎるまでのわずか数秒だったり、橋上から数分いてたり。
たまに自転車の時はそれこそ5秒ぐらいなので一言だけ助言したり。
『円堂腕の力だけで止めないで〜』
『半田ドリブルテンポ一定すぎ〜』
『壁山ボール追いかけて〜』
『染岡後ろも見てね〜』
『試合がんばってね〜』
「「誰だよ!!?」」
ごもっとも。
誰かもわからないまま、自分たちにアドバイスをくれる声からして女性。
ある日とうとう染岡と半田が全員思っていることをつっこんでくれた。
今日は自転車でぴゃ〜と通り過ぎただけだった。
「お?」
「円堂の知り合いか?」
「おう!名字だ」
「…誰ですか?」
首を傾げる一年ズ。
「名字、、て、どこかで、」
「うちのクラスにいるだろ?名字妃鞠」
「…え!?あの名字さん!?」
「んだよ半田知り合いか?」
「染岡も風丸も一年の頃同じクラスだっただろ?」
「…え、あの子が?あの?」
「目を合わしちゃいけねえ不良で、学校に来てるところ見たこともないぐらい登校拒否してて、一人で他校の不良軍団をボコボコにしたって噂の?」
「何だよそれ…」
そんな噂何も知らないが、呆れてる円堂
「私も知ってますよ!」
情報通、新聞部音無春奈
登校しているところをほぼ見たことがなく、その存在は幻とされている中学二年生、名字妃鞠。
学校をサボって外を出歩いてるのを目撃した生徒がやばそうな人たち(響や鬼瓦、影山)とつるんでいた。とか
その噂が広まってる有名人。
「です!」
ざわざわし出す選手たち。
「ええ!?名字が!?」
「…そんなわけないでしょー!!!」
今の話を静かに聞いていた秋がとうとう声をあげた。
普段声を荒げない秋に選手全員が萎縮する。
「円堂くんも!噂を信じないの!」
「そうだよな!あいついい奴だし、そんなわけないよな!」
「みんなも!妃鞠ちゃんはとても優しい子よ!」
「って言われてもなあ…」
「確かに噂を信じるのは良くないが、」
じゃあなぜ不登校???と全員が疑問を抱く。
「俺が前に聞いた時はちゃんと学校来てるって言ってたけどなあ」
「面倒くさいからたまにしか来ないけど、とは言っていたわね」
やっぱやべえ奴じゃん。
「そんなことより!!あいつのアドバイスは参考になる!それに俺たちが今大事なのは試合に勝つことだ!」
その日はそのまま話が流れた。
豪炎寺加入直前の話であった。
癒しの秋から連絡がきた。
−もし時間あるならサッカー部の部室に来れないかな?手伝って欲しいことがあって…
もちろんすぐに参ります。
『秋、きた、よ?』
部室の扉を開けるとエプロンつけた三人と机の上には白く輝く物体が。
…おにぎり会今日だったかー!!
「忙しいのにごめんね、妃鞠ちゃん」
『暇してたからお誘い嬉しいよ、みんなで料理?』
「みなさんに力をつけてもらいたくて、おにぎり作るんです!」
『二人はともかく、夏未できるの?』
「し!失礼ね!わたしだって、おにぎりぐらい…!あっつー!!」
『コントじゃん、』
まだ握る前だったみたい。
今の状況を把握した妃鞠は一声かけて駆け出す。
塩結びもいいけど、具ありもほしいでしょ!
近くのスーパーで鰹節と醤油を買ってもどる。
個人的に卵黄が好きだけど今はなんか違う。
「はやいですね!?」
『全速力でがんばっちゃったわ、私も手伝うよ』
「良いの?」
『あの人数三人は大変でしょ?壁山すごい食べるし。私にもやらせておくれ』
買い物してる間に夏未にダブル茶碗は教えていた。
『秋はやっぱり上手だねえ』
「そうかな?」
『春奈はいろんな大きさあって面白いね』
「お兄ちゃんには大きいのあげますよ〜!」
『夏未も上手ね、初めてでこんなにできるなんて』
「ちょっと!子供扱いしないでちょうだい!」
わいわいしながらなんとかおにぎりたくさん。
