受験の話

「名前、ほんとに?」

『ん?うん、雄英にする』

「うーん、、、お母さんとても心配」

『がんばるよ〜』

「勉強がんばらないと、今のままじゃ厳しいでしょ?」

『そう!実技も心配だし〜』

「…実技って、まさか、ヒーロー科受けるの!?」

『んー』

「なんで!?普通科でも十分凄いじゃない!」

『そうなんだけど、、もしかしたら、ね、』

「もしかしたら?」

『ううん、絶対かな。…受けると思うから、私も追いつきたいの、同じところに』

「うん?…うーん、、、あ!なるほどねえ」

『にやにやしないで』

「よーし!お母さん応援するわ!たくさんサポートするからね!」

『も〜、、ありがと』

「で!どっちなのかな?」

『どっち?何が?』

「出久くんか勝己くん!」

『ふえぇ…?』

「うーん、どっちも素敵よね!出久くんは優しくて思いやりがあるし!勝己くんは強くて護ってくれるでしょ!お母さん悩んじゃうなあ!」

『何でお母さんが悩むの…』

「ふふっ。…名前」

『なに〜?』

「がんばれ。名前なら大丈夫」

『…ありがとう』


何とか睡眠時間を削って、遊ぶ時間も削って猛勉強。ギリギリ模試判定もAにあがった。
あとは、苦手な個性のアピールにもなる実技。
勉強の影響でショートスリーパーになったため、早くても12時に寝て、朝4時には起きて家を抜け出して個性訓練。冬なので外真っ暗。

常時個性発動に慣れるため、スターフロートでぷかぷか浮きながら、目立たないほどに星を操り攻撃の練習も。

試験まであと数ヶ月。

『あれは、』

星を眺めながら流れていたら、気づいたら海浜公園で。暗闇の中で、最近全然会えていなかった人。
遠目で見ていると、大きなゴミから小さなゴミまで全て撤去し、綺麗にしようとしてる。

『ほ〜、最近このあたり綺麗になったと思ってたけど、まさかね』

何か理由があるのか必死な姿を見て、邪魔をしないほうがいいとそのまま引き返した。
その途中に暗闇の中で目立つ金髪もいることにはあえて気付かないように。


試験当日。

名前の高校からヒーロー科志望は一人だけ。普通科や経済科、サポート科は数名いるが。
友人から、お互い頑張ろうメッセージを送り合い、いざ試験。
筆記は手応えがあった、問題は実技の方。
ドキドキしながら説明を聞いていたら、質問をした男子の近くに、注意を受けた人が。
そして、その横にも。

久しぶりに見た顔。その顔を視界に入れた途端、緊張していた気持ちがおさまっていく。

やっぱり、私のヒーローだ。

その後、試験会場に向かいポイントになるロボをできるだけ多く倒す。途中で0ポイントロボが出た時は全員逃げたけど、逃げ遅れた人たちを無意識にシールドで護っていた。優しい幼馴染に感化されたかな、私も。

実技試験も、なんとか怪我なく終わる。何体倒したかなんて必死で数えていない。これに関しては結果次第だ。

試験終了後、もしかしたら会えるかなと周りを探したけど、どちらにも会えなかった。

数日後、雄英から結果の手紙が届いた。
ホログラムメッセージとともに、合格の手紙が。

ようやく、同じところに立てた気がする。
ずっと憧れていた、私のヒーローのところへ。


「おめでとう!!お母さん!ほんとに嬉しい!」
受験受かった本人よりも大号泣。

『ありがと、泣きすぎだってば』

「ズビッ、それで、出久くんと勝己くんはどうだったの?」

『うーん、私いけてるから受かってると思うよ』

「連絡取らないの?」

『うん、落ちてないと思うけどさ、試験の結果聞くのってちょっと、怖いじゃん』

「それはそうね、まあ、今日はいっぱいたべて!ほら!ご馳走よ!」

お母さん手作りフィーバー。大好きなものばかりに囲まれて祝ってもらって最高の一日。

『お父さんも帰って来れたらよかったのにね』

「出張中だからね、でも喜んでたでしょ?」

『うん!さっきおめでとうの電話くれたよ』

「お母さんのところにも電話きてね」

『へ〜、なんて?』

「結局、出久くんか勝己くん、どっちがきっかけだ?て」

『こっちもか〜、でも、二人が最高のヒーローになるって思うから、どっちの影響もうけたけどね』

二人とも正反対だけど私が憧れるヒーローで。

「お母さんもお父さんも、ヒーローの影響受けた方じゃなくてねえ、、焦ったい!」

『内緒だよ〜』


名前は俺が護ってやる!

強くて、自信に溢れたその姿に、王子様に憧れていた私は強く惹かれたのだ。


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