星章学園vs王帝月乃宮の試合は残酷な結果で終わった。

星章の鍵となる灰崎のシュートはあっさり止められ、選手達はグリッドオメガにより試合続行不可能となったのだ。

試合が中断され、地面に伏せている選手の元へ久道監督やコーチが駆け寄り一人ずつ重症ではないか安否を確認していく。
そんな中、マネージャーの春奈は自身の兄である鬼道有人の元へ駆け寄ろうとしたが、それよりも先に見覚えのない人がそばに立っていた。


「おまえ、は…」

「…一人の選手に気を取られすぎて、お得意のゲームメイクが出来てなかったね」

「な、!その声、っ」

「無理して起きないで。ずいぶん過保護になったみたいだね」

「…余計なお世話だ」

「まあ、相手が悪かったってのもあるけど、チームがチームになったのが最近だもんね、そりゃゲームメイク難しいよ」

「…なあ、どうしてお前はここに来たんだ」

「来ない方がよかったかな?」

「いや、会えて嬉しいが、身体が思うように動かなくてな」

「気を張りすぎてたから丁度いい休息になるよ、きっと」

「ふっ、そうだな…」

「…お疲れ様、有人くん」


地面に仰向けて倒れている鬼道のそばにしゃがみこみ、手をグーにして突き出した。それに応えるように、なんとか軋む身体を動かす。


「いつでも"帰ってきて"。私はそこにいるよ、待ってるから」

「…!感謝する、名前」


コツンとぶつかり合った拳を離して立ち去るパーカーを着た少女。
春奈は遠くからその様子を見ていたが、声は聞こえなかったのだ。少女が立ち去る様を見てから、ハッとして鬼道の元へ駆け寄り無事を確認した。


「お兄ちゃん!大丈夫!?」

「春奈か、ああ、大丈夫だ」

「よかった…!さっきの人は?」

「…守神だろうな」

「守神?」

「俺たちがいた雷門の事が一番大切な奴だよ、春奈も会いたがってただろう?」

「……もしかして!」

「あぁ、待ってるからいつでも帰ってこい、らしいぞ」

「…!ずっと、ずっと会いたかった!」

「落ち着いたら、様子を見に行くか」





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