脆く、儚く、散って


いち


元ヤンキーが実力派歌手になる。

「モモさん!ユキさん!…ってあなた達は誰ですか」

「珠莉!」
「君は来ちゃ駄目だ!」

「珠莉って、こいつ…実力派歌手じゃねーかよ」
『ええ、そうですけど…あなた達はどちら様?』
「おい!社長からの命令だ!こいつらの前で珠莉をめちゃくちゃにしても良いってよ!」
「なあ、お嬢ちゃん?この状況、分かるよね?」

『まあ、少しは。やばいな〜ってくらいですけど』

「珠莉、呑気にしてる場合じゃないって!早く逃げて!」

「ははっ逃がさねーぞ!」

「ぐはっ」

「テメェ!何すんだよ」

『いやなんか、襲い掛かってきそうだったんで…』

「チッ、どうせ女1人何も出来ねーよ!」
「おい、やっちまおうぜ!」

「珠莉!」「珠莉!」

『はあ…しょうがないですね。先に仕掛けて来たのはそっちですからね?っと』

「「っ!?」」

「つ、強え……」
『おい、お前。社長は何処だ』
「っ!…し、知らねーよ!俺等は電話で指示されてるだけだからな!」

『ふーん…じゃあ約立たずじゃん。モモさん、ユキさん。こいつらどうします?』
「あっ、いや…そのままで良いから!危ないからこっちおいで!」
「……君、本当に凄いね」

『ふふっ私、これでもキックボクシングやってるんですよ。全国大会にも一度優勝させて頂いて…』
「き、キックボクシング!?珠莉ちゃんいつの間に!?」
『去年からです。楽しいですよ?ストレス発散…にもなるので!まあ後は…喧嘩には慣れてるので!』
「…見た目に寄らずだな…」

「ぐちゃぐちゃ…呑気に喋ってる場合じゃねーだろ!」
「「珠莉!後ろ!」」

『!?……。』「い"っ!」

『とまあ、こんな事があるので。ふふっ』

「ユキ…俺…珠莉が後輩で良かったよ…」
「…敵に回すと怖いタイプだな…」

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