04




起きたら目の前に絶世の美女が寝ていた。と思ったら最近拾ったリンだった。
たぶん体に負担がかかるため勝手に人間の姿にもどったのだろう。
容姿の良さは白ひげ時代から有名で、かの海賊女帝と引けをとらないと言われており、実物を見るとなるほど、と思わせた。透明感のあるアッシュグレージュに白い陶器のような肌、赤く薄い唇、今でさえ閉じられているが深海の瞳がそのうち見開かれるだろう。
「白ひげが出したがらなかったわけだ」
実力はマルコと引けを取らないと言われていたのに隊長にさせなかったのは、やはり身の安全のためだったのだろう。頂上戦争で大将と戦わせないで安全なシャボンディに患者を運ばせたのも、そういうことだろう。
腰まである長い髪の毛を撫でるとリンはわずかにみじろいで、俺に腕を絡ませてきた。誘ってんのか?と思いながらため息をつく。
「娼婦で雇ったわけじゃねぇぞ……」
そう呟いてリンの腰に片腕を回す。ふわっとジャスミンの香りが鼻腔をくすぐった。もっと嗅ぎたいという本能が勝って首筋を舐める。くすぐったそうに少し抵抗する姿がまたいじらしく、余計に欲望を駆り立てた。
リンの頬を撫でようとした手の上に涙がこぼれ落ちた。これはリンの涙じゃなく、俺の涙だ。無意識に溢れ出るそれに自分は少し驚いた。シャボンディの酒場で
「どこかで会ったことがある…?」

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