熟睡(御剣)
「りんくん」
「んー」
「りんくん起きたまえ」
「うう」
早朝、検事局に入ると私の執務室の前のソファで眠っている刑事、りんくんを見つけた。
いくら上級検事執務室しかないとはいえ無防備すぎる。
しかし疲れているのか、どれだけ揺すっても声をかけても一向に起きる気配が無い。
しばらくの思考の末、せめて私の部屋で寝かせる方が安全だろう、と、りんくんの体を抱き上げた。
「んん………あ、れ?」
部屋に寝かせてしばらく経った頃、りんくんが目を覚ました。
「やっと、起きたか」
「あ、れ? 御剣検事なんで」
「それはこっちの台詞だ。りんくん、何故君は廊下のソファなんかで熟睡していた」
寝起きで頭が働かないのか、しばらくぼうっと辺りを見回したが、何かを思い出した様子で目を開いた。
「そうです! 御剣検事に新しい情報を届けに来たんです!」
「新しい情報?」
「昨日の深夜に情報が上がったので、朝一番でお届けしようと」
そう差し出されたのは確かに今までの調査では出てきていなかった新事実で、確実に裁判で強い武器になるものだった。
「わざわざコレを届けるために廊下で寝ていたのか」
「すみません。寝るつもりは無かったんですけど………」
「いくら検事局内とはいえ、なにがあるかわからない。次からは連絡くらいはするように」
「あ………すみませんでした」
りんくんは眉尻を下げて、哀しそうな声を出した。
そんなりんくんを見て少し言い方が悪かったと自覚する。
「刑事としての腕は認めている、しかしりんくんは女性だ。何かあっては………りんくんが心配なのだよ」
「心配してくださるんですか」
「もちろんだ。あと、新情報とても助かった。礼を言う」
「お礼だなんて…こっちこそ、ありがとうごさいます!」
先ほどとは打って変わって笑顔を見せるりんくんをみて、思わず自分の頬も緩んでしまった。
END
20110913
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