Mくんは俺の後ろから覆い被さった。ぷつりと肉が裂ける感触がして、Mくんの陰茎が入ってくる。そのあまりの大きさに、勃起してるんだ、と当たり前のことを思う。
Mくんは俺の腰を掴んで揺さぶった。バックでやるなんて、まるで獣の行為みたいだ。Mくんの綺麗な顔からあまりにもかけ離れたような行為に感じる。だけどMくんは人間で、当然性欲もある。Mくんと卑猥なものを切り離して考えていた俺は、Mくんを人間ではないとでも思っていたのだろうか。
は、は、とMくんの吐息がうなじにかかる。それにすら感じてしまって喉をそらす。快感から逃げるように腰を揺すれば、さらにMくんの陰茎が奥へと入ってしまう。何をやっているんだろう、俺。
Mくんの陰茎が奥をつくたびに、体そのものを貫かれている感じがする。体の内側で、一番深い所で、Mくんを感じる。不意にMくんの顔が見たくなって振り返り、後悔した。あまりにも切ない表情をしていて、俺の体はさらに熱くなった。Mくんももう限界が近いのだ。
Mくんは俺にしがみつくように抱きしめ、俺の名を呼んだ。その瞬間、俺の体の中の剛直が力をなくすのがわかった。体温とはまた違う液体の温かさ。Mくんが抜いた瞬間に俺はベッドの上に潰れる。尻を突き出す格好になってしまったが、今更だ。
疲れた、と言おうとして行為の後に言うにはあまりにもそっけないと思った。だから、代わりに言った。
「気持ちよかった……」
その一言が、またMくんを燃え上がらせるとも知らず。
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