4
「ほら、バラしてみろ」
名前もわからない構成員からハンドガンを手渡されて設計図を一瞬だけ見させられてから、ドライバーなどが入った工具箱を置かれたテーブルに座らされる。
こんなガキが何をできるっていうのだとう顔で構成員が3人、左右と前から見ている。
何回やらされたと思っているのだ。バラしては組み直す、バラしては。
セーフティーを下ろす、引き金を引く
カチャリ
軽い音がする。弾は入っていなかった。
なんだ
構成員たちは慌てて銃を取り上げる。なんだよ、誰に向けて撃ったわけでもないだろう。面倒なことになる前に何もしないよと大人しくしておく。
何がどう伝わったのか“度胸のある子ども”か“セーフティが外れた子ども”か分からないが使えるようにどんどん訓練して使えるようにしようということになったらしい。
「テメェがあの時のガキか」
やってきたジンは数年前に接触しただけの俺を覚えていたらしい。なんでその前は覚えてないんだろうか。黙ってみていると
「ふん、気味の悪ぃガキだぜ」
と言って去っていった。
今日は待ちに待った射撃訓練だった。
帽子、保護メガネ、防音のヘッドフォン、ハンドガン、充填、数メートル先の的
それと実弾
何度もやらせれて覚えている。構えるセーフティを下ろす、構え直す、引き金を引く
耳の横で爆発音が聞こえた。
もう悪い夢は終わり
- 7 -
*前次#
ページ: