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新しくできたお父さんとお母さんは、とても優しくてかっこよかった。
名前を呼んでくれて、いろんなところに連れて行ってくれた。
ゆうさくさんは、小説家で、ゆきこさんは女優さんなんだって。
学校のみんなが「いいなー」って言うのが自慢だったし、「本当の子どもじゃないくせに」っていう子もいたけど、全然気にならなかった。羨ましいのかななんて思ってたくらいだ
そのうちに、弟ができるのよってゆきこさんが言ってた。弟!僕に兄弟ができるだなんて!とてもとても嬉しかった
生まれてきた子は、小さくて柔らかくて、僕が指を出すとぎゅって握ってくれた。かわいくてしょうがなくて、弟が家に帰ってきてからはずっと離れなかった。ゆきこさんにオシメの変え方とミルクのあげ方を教えてもらって、暇があれば隣にいた。
この子はなんでこんなに輝いて見えるんだろう。可愛くて可愛くて仕方なかった。
「新ちゃんはお兄ちゃんといるのが好きみたいねぇ」
そう言っておなあさんが微笑んでくれるから本当にそんな気がして嬉しかった。
「名前は新一にべったりだな。いいお兄さんだ」
おとうさんの言葉が自信になった。だって僕はお兄ちゃんなのだ。この天使の様な新一をずっと守るし、ずっと味方だ。こんな僕をお兄ちゃんにしてくれたおとうさんとおかあさんも僕がずっと守る。
毎日が充実して、しあわせだった。
けれど。
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