爆豪勝己が追いかける
※5話以降に該当
これは―――同族嫌悪だ。
あの女が自分にとって気がかり足りえる存在だと発するなら、それは絶対的に嫌悪でなければ、説明がつかない。断じて、心を巣食う蝕みの浸食は、好適俗物の塊などではない。
胸やけする不快感に、眉根を寄せながら左胸を服の上から掴んだ。
服の皺が寄った。ひび割れた地面のような、損壊で……。
『だからお前は、脆いんだよ』
反論の余地などまるでなかった。それは相手が強敵だと認識しただけじゃない。本当にその通りだと納得しちまった自分が確かに、胸の奥に居たからだ。あの碧眼のガラスレンズで見透かされている気分に曝された。不気味?そんな生易しいもんじゃない。もっと根底から闇に掴まされた気分だ。
突然しゃしゃり出て来てクソナードに纏わりつく、あの薄気味悪い邪者の清清する瞳には俺など初めから映し出されてもいなかった。それが……妙に腸が煮えくりかえる。
調べても何も出て来ないことは、調査する前から何故だかわからないが、悟った。
だから、あの女のことは探らない。これも不思議だが、あの女はまた近いうちに再会できると思っちまった。
だが、あの女は為りを潜めた。代わりに、あの女と雰囲気の似た白髪女が特待生として入学してきた。同じクラスに在籍している。そして……デクの傍に必要以上に懐いてた。
名前すら似ている白髪女を、俺は視界に入れてはすぐに追い出した。
その繰り返しを行いながら、否定と肯定を行ったり来たりと繰り返す。何がしたいのかなど俺が一番知りたいと望む事項だ。
半分野郎が白髪女と接触する度に、反吐が出そうだった。
糞だ糞だ、と罵しりながらあいつは俺の投影だと肯定しそうで、無理矢理喰い破った。
探究心をかなぐり捨てた先に、何が待ち構えているのか、俺は……今もまだ背を向けて続けた。
「早く、来い」
俺の目の前に顕れろ―――。