※黒コノハに乗っ取られたコノハ
{やめて……!離して……夜鷹を放してよ!}
―――煩い。黙れ。誰に口答えしてんだよ、お前。
こいつは元から俺のなんだよ。お前にも理解されないような遠い時間の中で、ずっと俺はこいつだけが欲しかった。他のものなんて何一つ必要じゃないんだ。
心の中で白い俺が僅かに残った精神態となって邪魔をする。それをふり払って組み敷いた夜鷹のまだ濡れてもいないナカに指をいれた。
『んぅっ―――!』
唇を噛み締めて苦痛に耐える夜鷹は、首を絞めるときより可愛いとさえ思った。
歪んだ表情、苦悶する顔、乱れる息をそのままに必死に眉を寄せて俺を視界に入れないように瞳を頑なに瞑る夜鷹。白藤の髪色に舌うちをする。
「強情だな。いい加減に出ていけよ……蛇」
『!』
指を曲げると面白い具合に身体が震えている。人間には三大欲求ってものが存在している。その欲求にはどうしても抗えないとも言われているらしいが――本当みたいだな。
空っぽな人間ほど快楽に弱い。夜鷹の髪色がだんだん夜空の色へと変わってくるのを確認すれば、もうこちらのものだ。
「濡れてきたな…威勢はどうした、夜鷹?俺が欲しいんだろ?」
『あっ、……っっ!!』
首を横に振って否定した。夜鷹は一度決めたらその意志の固さは拍手喝采ものだ。人間ではありえないくらい純粋で純真で、揺るがぬ強さを持ち合わせている。それが空っぽな人間の強さでもある。トントンとナカをノックしても、ピクリピクリと身体は素直に反応を示す。
夜鷹……俺の夜鷹。俺だけの……。
笑みを浮かべて濡れた指を引き抜いた。ぐちゃぐちゃにかき混ぜたその三本の指にはべったりと愛液が付着している。これが夜鷹の返事。
{ やめて――!やめてよ!僕のッ、夜鷹に触らないで――!! }
煩いって言ってんだろ。そこで指くわえて眺めてろよ。最高のロケーションだろ?
お前の好きな女が犯される様を、絶望にまみれながら消えろ――コノハ。
泣く声が聞こえる。叫ぶ声が聞こえる。絶望の声が聞こえる。崩落の波が段々と近づいてきていることがわかる。もうすぐでもうすぐ。この身体を得られる。
残念だったな。お前のじゃねえんだよ―――。
勘違いすんな、紛いモノ。元々は俺のだ。
布の擦れる音。金属の外れる音。それから―――水がぶつかる音がした。
『ッ――――!!』
声にならない声をもらす夜鷹。一気に彼女のナカに入れた衝撃により身体を痙攣させる。
久しぶりの彼女のナカに俺は歓喜した。ああ、最高の気分だ。
その瞬間、アイツの精神に一発殴られた気がした。
いつの間にか俺はケンジロウの元に戻っている。いいところで邪魔しやがって……。
「夜鷹……愛しているよ」
目蓋を閉じれば君を想像した。
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