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「松岡くんっ?!」
「ちょっと、黙れ」



突然鮫柄学園にやって来たなまえは俺に会うために水泳部に声をかけて、見知らぬ男に告白まがいなことをされていて、咄嗟に手首を掴んでここまで連れて来てしまった。体育館裏の人気の少ない壁に押し付けて、彼女の顔のよこに手をついた。と、言っても小さなこいつにとってそれは拘束にもなりはしないため、彼女の手首事壁に縫いつけた。



「何しに来たんだよ」
「話が、したくて……」



迷わずこちらを見つめてくる。その瞳に心がぐらつく。喜びに投身してしまいそうで気が狂う。眉間に皺を寄せて何とか保った。



「何のだよ。今更…俺に用って、どうせ、真琴に言われて来たんだろう?」



図星かよ……。彼女の肩がぴくりと動く。この反応なんか知りたくもなかった。溜息を溢して、喜びが嫉妬に変わる。何で、あいつなんだよ……。何で、俺じゃないんだよ。何で、あんな図体デカイだけの男なんだよ、なあ――なまえ?



「松岡くん」



その呼び方も、真琴に向ける視線も、全部、全部腹が立つ。手首を握る力が強まり、彼女の表情を歪ませた。凛って呼べよ。俺の事、もっと見ろよ。喉が渇く。口を開ければ八重歯が疼いた。
熱い吐息を吐きだして、彼女の襟首を捲る。その首筋から鎖骨にかけての柔らかなラインがそそる。真白な肌が誘惑してくる。緊張しているのか、ほんのり色着くの着色さえにも興奮してしまう。
空いている手で彼女の肩を掴むと、彼女が少しだけ身じろぎをした。



「松岡くんっ!」
「動くな」



近づけていくと吐息が肌にあたり、彼女の吐息も同じように熱い物に変わっていく。尖った歯が彼女の柔らかな首筋に噛み痕を残すように口を開けて、齧り付く。



「んっ?!」



痛みに眉を寄せて瞳を閉じる彼女の小さな身体を抑え込み、柔らかく何度も噛みつきながら舌先を押し付ける。
その生温かな感触に、逃れようと動くけれど、小さな身体の彼女が俺に敵う訳もなく。あっさりと壁に押し付けられて、拘束される。唾液が下り落ちていく様を眺めながら、その痕を辿るように舌先で下れば、彼女が危機感を感じてか声をあげる。



「やめてっ」



弱弱しいそんな拒絶じゃ、逆に煽られているもんだ。鼻で笑いながら肩を押しつけていた手をどかして、そのまま彼女の来ているワイシャツの第二ボタンを外した。



「やめて欲しけりゃ、このまま大人しく喰われろ」



触れる箇所全てが柔らかくて、気持ちよくて、乱暴にするのが少し、勿体なかった。
沢山の痕をつけて、それをアイツに見せたらどんな顔をするのか、今から楽しみでしかたない。って言ったら、舌でも噛みちぎるか?

はぁっ、莫迦じゃねぇーの?その前にその舌を封じてやるから……俺から目を背けるなよ、なまえ。



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