D.Gray-man
「 枯れねーよ 」
彼はそう、呟いた。
戦争、争い、抗争曲。
全てが血に濡れた聖書の根絶だったとしたら…それは、人が神に許されざる罰を受けるためなのかもしれない。
「きっとこの花も亡くなるのかな……」
とても綺麗とは言い難い小さな花畑の真ん中で立ちつくしながら丘の麓を眺めていた。
未だ、争いは収まることを知らない。
不協和音が響く。奏でる。そして踊って疲れて倒れて消えて行く……。
くだらない、抗争曲。
風が吹くたびに香りが失って無臭になっていく。それはわたしもそうだと感じる。
「戦況はどうなってんだ」
感傷にもひたれんのー。
背後からの声の主に多少のイラつきを感じながらも何ともないように答える。
「劣勢ですかね〜、どうします?神田先輩」
「んなの、行くに決まってんだろ。勝たなきゃ死ぬだけだ」
「そうですよねー、神田先輩は大人ですねー」
「ふざけんな。てめぇも無事なら行くぞ」
流れない。立ち止まらない。それは強さだ。何にも縛られない、それは強さに違いない。落とし穴があったってこの人は構わず進むんだろうな。それを知っていたって、知らなくたって…自分の目的のために、それまで死なないと自信があるんだ。
浅く吐き出した空気は、汚染される。その長く揺れる黒髪を眺めながら、蜘蛛の糸に見えた。
五メートルの距離で彼が立ち止まり、振り返る。少々のイラつきを乗せて。
「おい。なまえ」
「なんです?神田センパイ」
迷っているわたしがイラつくんだろうな。わかってるからこそ、更にイラつくのだろうさ。ははっ。
花粉が舞う。風によって舞いさせられる。だから、わたしは花の香りを身に纏う。無臭のわたしに色がつく。それは花の優しさだ。
だから、花は好きだ。だから、無くしたくない。だから、ここを戦場にしたくないのだ。
「枯れねーよ。……ここは」
「…なんで?」
「てめぇがやるんだろ」
「……言われなくとも。やりますよ」
皮肉だな。足を洗うように抜け出して彼の横を通り過ぎる頃には、無表情ながらも告げる口が見えた。
「お前はつえよ」
「……っはあ?」
思いきり振り返れば彼は……刀を鞘に仕舞いこみ解けた髪紐を再び強く縛り直していた。
「迷えるのは、お前の特権だ。だから…無味無臭ってのは、強さじゃねえよ」
「……迷子にならないのは、大人の証拠、だよ。神田。やっぱり、嫌味野郎ですね。神田センパイ」
「勝手に言ってろ、めんどくせ」
「最初に喋り出したのはあなたですけどね」
準備が整えれば、戦闘開始の合図が鳴り響く。向かう足は今も迷いながら進む。ただ只管前だけを。それしか道が存在しないかのように、わたしの方位磁石はいつも、北ばかりをさす。
「 向かう先にはいつも、お前の香りがするからな 」
道標のように、真っ直ぐに伸びた香り。花はいつでもわたしを包み込むカモフラージュだった。
あとがき
久しぶりに好きなサイト様に行ってアルランを楽しんでいたら、神田に出会い。なんか最近櫻井さんブームなので、のっとって書いてみた。
何か、まだリハビリって感じ。小説とかってどう書いてたか忘れたよ。
あははは。
これは、主人公は闘うことに迷いがあって、感情を優先させてしまう半人前で、神田さんを尊敬している。戦闘面で。自己犠牲とか自暴自棄とかそんな感じの娘で。
神田さんは、そんな主人公に憧れと好意を表している。
主人公は迷子。神田さんは主人公を道しるべにして2人とも前を見据えて走っているイメージですかね。
おそまつさまでしたっ。
2012.04.10
ALICE+