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悪ノリで入ったオカルト研究会。
今はとっても後悔しています。


「小川さん。では真ん中に」


夜の、真っ暗な校舎の中。しかもベタに生物室の準備室で。
床には映画とかそんなんで見たことのあるような魔法陣みたいなのが書かれていて、私はその陣の真ん中へと促された。
ああ、面白そうとか思って入ったこのオカルト研究会。
ただの電波さんたちの集まりだったらしく、私は今、新入会生を祝して洗礼を受けるらしい。
断ろう。そう思ったけどこいつらまじオカルト好きで威圧感があってなんか半端なく怖かった。
もうやだ。帰りたい。
学校の警備をも駆使しているあたり恐ろしいことこの上ない。
一昨日、興味本位でこんな同好会入った私を呪う。
殺したいくらい呪う。
バケツいっぱいの水を頭からかけられて、聞こえてきたのは何やらわけのさっぱり分からない呪文のようなもの。
つーか今制服で白ブラウスだから透けるんですけど。
なんて今の奴らには関係ない。
ちょっと、身の危険どころか命の危険を感じた。

『出でよ!』

全員で揃った声に、まじで白目向きそうだった。
出してどうする私が陣真ん中にいるのに馬鹿じゃねーの。
もうこうなったら乾いた笑いしか出て来なくて、それに加えて左目から涙出てきた。
もうやだお嫁にいけない。
なんて、思ってる時だった。

「…え」

さっきまで、確かにあったはずの光景が、ガラリと変わっていたのだ。
周りにいる人も全く違う。
外人だって、一見変人だっている。
ああ、面子の濃さは変わってないかもな。ははは。
なんて現実逃避をかましているわけにもいかず。
それでも、私の足元にある魔法陣だけは、全く同じだった。