彼女が私のこの気持ちに気が付いていて、知らないふりをしているのであれば、とても残酷な人だと思う。でも、その気持ちに気付いてほしい素振りをしてしまう私は、もっと酷い奴だ。
オリフェさんからしたら私は妹みたいなものだろう。よく頭を撫でてくるし、ミイムとメイムが居ない前では甘えてきても良いのよ、と気遣ってもらった。その優しさが辛くてたまらない。私もオリフェさんの力になりたいと思うのに、私に弱いところを見せてくれない。頼りないだろうか?年下だからだろうか?
もし私がオリフェさんと同い年だったら、もし私が男だったら、もっと積極的になれたのだろうか。
「オリフェさんと団長ってお似合いだな……」
話している二人を遠目で見て、妹に対してそんなことを言ってしまう。副団長というこの位置はオリフェさんの位置だった。一度彼女が騎士団を辞めてしまったことで副団長は私が引き継いだけれど、それに対してどう思っているのだろうかとか、考えだすともう止まらなくなってしまう。
団長やユリウスと彼女が並んでいるのを見ると、私の入る隙間は無いのだ。この思いをオリフェさんに伝えられたら、楽になれるのかもしれない。そんな勇気はないけれど。
ああ、私は自分のことばかりだ。

ひそひそとミイムとメイムが話しているから、何かあったのかと聞けば
「お姉ちゃんって……鈍感よね〜」
と、ミイムに返されてしまった。どういう意味かわからない。そうミイムに聞こうとしたら、オリフェさんはこちらに気付いたかと思えば団長と話をやめて、私がそんな葛藤をしてるとも知らず可愛らしい笑顔でこちらに手を振ってきた。



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