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▽無題

星屑にティーン降谷がトリップ

ティーン設定考える前の初期段階なので、まさかの20でティーンじゃないです。


※前回の設定でティーンでしたが、こちらは20歳
※ちょうど出て行った後位
※言わずもがなボツったのでこちらにUP
ちゃんとティーンで書けたら欠片にあげます。
※名前はタグ表記になってます

ーーーーーーーー


何が起きているのか、分からなかった。

「ん…」
「…っ」

するりと伸ばされた細い腕が俺の腰に巻きついて、白い頬が体に擦り寄る。
目線の先にはもう何年も会っていない妹が居た。
何が起きているんだ。
さっきまで寮にいた筈なのに、何故妹がここにいる?いや、ここは本当に寮か?
何より、自ら背を向けて突き放した妹が居る現実が、飲み込めなかった。
現状把握の為に起こそうにも、数年ぶりに見た妹の穏やかな寝顔に声をかける事すら出来ない。

「ん…ぅ…にぃさ…?」

しまった。
無意識の内に伸びた手が頬を撫でた瞬間、眠そうな瞳が俺を見上げる。

「…え、あれ、兄さん?」

俺が居ることに驚いた妹は、飛び起きてじっとこちらを見つめてから再び口を開いた。

「なんで居るの?」

当然の問いかけだった。
一方的に離れていった兄が同じベッドで寝て入ればそうなるだろう。
俺自身も理解できなかった状況を、寝ていただけの##NAME1##に分かるはずもない。
徐々に冷静になった頭が互いに服を着ていることを認識して安堵してしまった事に気付き、自分を殴りたい気分になった。
何考えてるんだ俺は。
数年経った今でも尚、俺は妹への思いを消すことは出来なかった。
心の準備もできないまま再会してしまったこの状況で、何も答える術を持たない俺は言葉を探すので必死だった。

「今日泊まれるの?」
「…は」

今、なんて言った?
泊まれる?

「仕事忙しいなら無理に来なくてもいいんだよ?ちゃんと待ってられるから」
「ま、待て、どういう意味だ?」

おかしい。
それじゃあまるで俺が仕事をしてるみたいじゃないか。
それにこの距離感はなんだ?
数年会っていないとは思えない態度で、俺に話しかける妹。
記憶の中の姿よりも、少しだけ大人びた顔をしているが、首を傾げる姿は幼く見えた。


ーーーーーー

とりあえず話をしよう。と連れていかれた先はリビングだった。

「兄さんここに来る前何処に居たの?」
「寮で寝てたはずだが…」
「…寮?」

警察学校では寮に入っていることは##NAME1##も知っているはずだが、この反応はなんなんだ?

「え、だって、警察学校時代みたいだなった」
「警察学校に行ってるから寮生活なんだろ?」
「え、えぇー…」

ついに頭を抱えだした妹に今度はこちらが質問する番だった。

「お前、あんな風に居なくなったのに何も言わないのか…?」

一方的に思いを押し付けて妹の前から逃げた兄を、どうして何も言わずに受け入れているんだ。

「だってその辺は丸く収まったというか」
「は?」
「私も兄さんと同じ好きって分かったし、ちゃんと伝えたから」
「き、聞いてない!」

どういうことだ、それじゃあまるで##NAME1##本人に俺が言われていたみたいじゃないか。
聞いてないぞ。
そもそもあれきり会って居ないし、連絡すら取らなくなったのにどうしてそんな事になっているんだ。

「兄さんって超常現象とか信じないタイプだよね」
「非現実的なことはあまり」
「もし、もしだよ、此処が数年先の未来で、何らかの理由で警察学校時代の兄さんが来たとかだったら信じる?」
「な、にを…」

信じられるわけがない。
そう思うのに、俺を見つめる妹の目を見たら、言えるわけがなかった。
##NAME1##が嘘をつくわけがない。
どんな時も俺の言葉を信じて兄として慕っていたたった一人のかわいい妹。
そんな妹の言葉を嘘だと切り捨てるような真似、俺にできるわけがなかった。

「…信じないわけじゃないけど、証拠があれば教えて欲しい」
「ほんと!?しんじる!?」

ああ、やっぱり。
俺はこの笑顔が好きなんだ。
限られた人間にしか向けられない無邪気で幼さの残るその笑顔が、愛おしいんだ。

「んと、これが私の医師免許で、これが今日の夕刊」
「…27…お前俺より年上なのか…?」
「言っとくけど兄さんはアラサーのくせしてほぼ変わってないからね。いい加減にしろよ童顔ハニーフェイスめ」
「…それ悪口か?」

確かに大人びたとは思ったが、27には見えないだろ。
そう言う俺に拗ねた顔で返すのは、いつも聞いていた悪口に聞こえない言葉だった。
…懐かしい、な。

「んー、でも」
「でも?」
「こっちの兄さんの方が筋肉もっと付いていたかも」

そう言って寝ていた時と同じように腕を回して抱きついて来た妹。
…変わらないような、変わったような。

「お前も、俺が知るよりも成長したな」
「そりゃあ学生とアラサーじゃかわるって」

どこが、とは口にしないが、本人も気づいてないようで何より。
押し付けられる柔らかさはやはり記憶のものよりも柔らかかった。
少しだけ、未来の自分が羨ましかった。

「それにしても困ったなぁ」
「何がだ?」
「いや、ドッペルゲンガー的なあれで会ったら消えちゃうパターンだったらどっちか消えちゃうじゃんね。だから兄さんに相談するわけにはいかないし、でも嘘は苦手だし兄さん鋭いからなぁ…」

そういえばこっちにも俺が居て当たり前だよな。
それに俺自身もいつ元の時代に戻れるかはわからないが、いつまでもこうしているわけにもいかないだろう。

「とりあえず兄さ…んは紛らわしいから、若いし零くんって呼んでいい?」
「あ、ああ。##NAME1##がそれでいいなら俺は構わないが…」

というかむしろいいのか?
ある意味役得のような気がしなくもない。

「戻るまでは一緒に暮らすとして、兄さんが来た時が問題だよなぁ」
「こっちの俺はどうしてるんだ?」
「今やってる仕事が片付いたら一緒に暮らすよ。今は探偵と助手とアルバイトやってるかな、偽名使って」
「なんだ、それ」
「多分仕事の関係じゃないかな。詳しいことは聞いて居ないけど、警察になってるよ」

ちゃんと国を守る為に働いているんだな。
そんな事を思っていると鳴らされたチャイム。

「六時なのにこんな時間に誰か来るのか?」
「いや、もしかしたら兄さんかも。でも兄さんがこの時間に来るのも珍しいなぁ…念の為零くんはお風呂場辺りに隠れてもらってもいいかな?」
「ああ、分かった」

風呂場まで案内され、少しの間だけだからごめん。と謝る妹を見送った。

ーーーーーーーーーー

何が起きたんだろうなぁ。
若かりし頃の兄を風呂場に隠し、未だに現実味を帯ない自体にふわふわしながらドアを開ける。

「おはよう兄さん、こんなに早く珍しいね」
「お前ドアスコープで確認する前に開けただろ」
「でも兄さんだったしいいじゃん」
「俺じゃなかったらどうするんだよ」

兄さんってちょっと過保護だよなぁ。

「何か変な事なかったか?」
「え、な、んで?」
「嫌な予感がしたからな。で、何があったんだ?」

答えてないのにあった事前提ですかお兄様!?
この人の鋭さはいっそ恐ろしいレベルだと思う。

「ない、何もない!」
「さっき動揺しただろ」
「してない!」
「お前はすぐムキになるから分かりやすいんだよ」
「待って待って不法侵入!不法侵入だから!待ってお願いそっちはダメだって!おまわりさーん!」
「俺がおまわりさんだ」

迷いなく風呂場まで向かう足取りはなんなの?警察こわぁ…優秀な警察こわぁ…
必死に腰にしがみつこうと筋肉ダルマはびくともしない。
とうとう開けられたドアの先には勿論零くんの姿が。

「言い訳だけ聞いてやる」
「違うんです誤解です」

見下ろす顔は怖いくらいの笑顔だった。
何この修羅場。

ーーーーーー
ここまで書いてやっぱり出て行く前のティーン降谷の方が当時のノリでイチャつくんじゃね?アラサーお兄ちゃん激おこ修羅場じゃね?うまうまって思ったのでボツりました(笑)

2017/07/15(02:58)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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