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▽無題

風見さんと幼馴染

風見さんの幼馴染
風見さんのことは裕也呼び
元一課の刑事
風見が上に推薦した事によって引き抜かれた
馬鹿だけど出来るやつなんです。馬鹿だけど。とは風見談
一課では優秀な刑事として割と有名だったが、佐藤刑事とは正反対で男同然の扱い。
「一応私も一課の花なんですけど」
「寝言は寝て言え」
「お前の何処が花なんだよ」
「女子力磨いてから物言え」
「全員パワハラで訴えんぞ」
とは一課でのいつものやり取り。
風見曰くゴリラ女。
運動神経抜群。
なんだかんだで風見さん大好きなはず。
「ゆぅやぁああ!!!」
「やっと来たか」
「やっと来たかじゃないよね?誰が公安来たいなんて言った?馬鹿なの?裕也は馬鹿なの?こんなプライドエベレストのエリート集団で私がやっていけるとでも?」
「喜べ、生きる伝説の降谷さんと仕事ができるぞ」
「聞け!人の話聞け!伝説とかどうでもいいわ!」
後に生きる伝説の鬼のような仕事の振りっぷりに再び風見にキレる。
「伝説は一生伝説でいろ!つーか死して初めて伝説になるんだろーが!!」
「お前何言ってるんだ」
「こっちの台詞だから!何言って私を公安に引きずりこんだこの野郎!」
なんだかんだで昔から風見に振り回されてる。
「何処で女らしさ落として来たんだお前は」
「裕也くんは何処で女運落として来たんだろうね」
「その話はやめろ」
「毎回毎回女に騙されて本性見せつけられて幻滅して…なんでこの仕事やってて女の本性見抜けないんだろうね」
「もうやめてくれ…」
「上手く別れる事すら困難でその度に手伝ってあげてたのだれかなー?それなのにあんな酷い事言っちゃう?女らしさ落としてきたとか言っちゃう?」
「分かった、俺が悪かったからもうやめてくれ…」
同僚や上司がいる空間で平然と元カノ話をされて胃が痛む風見。
女運に関しては私の完全な偏見。
「降谷さん、裕也見ませんでしたか?」
「風見ならさっき出て行ったが」
「ありがとうございます」
「…あいつ本当に風見のこと好きだな」
いつも姿が見えないと裕也どこですか?裕也知りません?と聞いてまわってるせいでみんなそう思ってる。
純黒の観覧車で気絶させられた話を聞いたら幼馴染は大爆笑する。
「うっわぁ、見事にやられたねぇ」
「うるさい」
「しかもまた女って女難の相出てるんじゃない?裕也一回お祓い行った方がいいよほんと」
「笑うのやめろ」
「キュラソーの太ももにシメられたご感想は?」
「いい加減にしろよゴリラ女」
でも最終的にはこの二人くっつくんだぜ…?
「何処へ行っても花にはなれないゴリラ女ですが何か?」
「なりたいのか?」
「ねぇその信じられないものを見るような顔やめてくれる?一応私も女だからね?」
「毎度思ってたのと違うと言われて男に逃げられてるのにか?」
「逃げられてないし私が振ってるだけだし」
「強がるなよ」
「そんなんじゃありませんけど?っていうか裕也には言われたくない」
なんだかんだで仲良し。
あいつの事を一番知ってるのは自分だとか、あんなのに付き合い切れるのは自分くらいだとか、そういうのを当たり前のように思ってる風見さんとかいかがでしょうか。

ーーーー

俺の幼馴染は馬鹿だ。

「裕也、これどうしよう」

真っ青に染め上げた顔でコーヒーまみれの書類を見つめる馬鹿。

「なんでお前はそう昔から馬鹿なんだ」
「馬鹿馬鹿言うけどやっちゃったものは仕方ないと思うよ」
「ひと事のように言うな馬鹿」

自分が悪いという自覚はあるらしく、小さくごめんなさい。と呟いたのが聞こえてため息を吐き出した。
デスクワークには向かない人間だというのは俺が一番知っている。
幼馴染の一番の強みはその運動神経と観察力、現場での咄嗟の判断力。
全て現場で活かされるものだ。

「手伝ってやるからお前はそれ片付けておけ」
「本当にごめん。もし裕也が危険な目に遭ったら私が盾になってあげるよ」
「お前の働きには期待しているんだ、死なない程度に盾になるんだな」
「あ、そこはお前にそんな危険な目に遭わせるわけにはいかない。じゃないのか」
「俺より丈夫な奴が何を言ってるんだ」

こんな軽口を叩きあえるのも、相手がこいつだからだろう。


ーーーーーーーー

私の幼馴染は引くレベルで女運が悪い。
学生時代からずっと見てきたからわかる。
あれは呪われてるレベルだ。
見た目はみんな大人しそうな清楚系女子で、ああ成る程裕也が好きそうな大和撫子タイプか。って思うけど、中身が伴っていたことは一度もない。
メンヘラヤンデレときて私が知る中で一番最後に見たのは清楚系ビッチだった気がする。
あれはひどかった。
裕也は仕事では鋭いし警戒心もあるくせに、恋愛にかんして全くと言っていい程見る目がなかった。
暫く女はいい、仕事に集中したい。と言った裕也の顔は酷い落ち込みようだった。
何故私が裕也の女関係に詳しいのかと言うと、ビッチ以外の闇を抱えた歴代の彼女達は束縛も強いのか裕也の周囲の女関係にひどく口を出すタイプだったらしい。
女で幼馴染という私の存在にケチをつけてくる女に最初は幼馴染の彼女だからとやんわりと対応するけれど、最終的に裕也がもう無理だと弱音を吐いた時に毎回私が切り捨てている。
何故裕也はバッサリと切ることすらできないのだろう。
ビッチの時は私がキレた。
本性を知らないままの裕也に女が泣き付いたけど、その時裕也が信じたのは私の方だった。
あいつは馬鹿だし女らしさの欠片もないガサツ女だが、理由もなしにそんなことをする奴ではない。
そう言い切った裕也は世界一かっこいい幼馴染だと思った。
やはり持つべきものは理解ある幼馴染だ。
その後ブチキレて本性丸出しになった彼女に全ての幻想をぶち壊された裕也は、私が知る限りあれ以来彼女らしい彼女はいない筈だ。

「今回は本物の清楚系女子だといいね」
「…お前楽しんでいるだろ」
「でも上からの見合い話だし、本物のお嬢様なんだから大当たりじゃない?」

そう、裕也に上から見合い話が舞い込んだらしい。
降谷さんに渡された相手の見合い写真には、慎ましやかなお嬢様が写っていた。
見た目は完全に裕也好みのお淑やかな女性だ。

「上はお前にさっさと身を固めて欲しいようだが、どうするかはお前が決めろ」
「でも上から直々のご指名ってことは拒否権ないですよね?」

むしろ決まったも同然だし、お偉いさんの令嬢となれば出世街道真っしぐらだ。
断る理由はどこにもない。

「大丈夫だって、今回は裕也の女運はいい方向いてるって」
「それは励ましてるのか?」
「当たり前じゃん。ちょっとはにかむようなこの表情も素敵だし、まさしく裕也の理想だよ。それに上からのご指名なんだから行かない選択肢ないと思う」
「…だよな」

そっと胃の辺りをおさえた裕也の顔は五徹した時よりも疲れているように見えた。


「お前はあれでよかったのか?」

そのまま悩める裕也を置いて部屋を出ると、壁に背を預けた降谷さんに問いかけられた。

「まぁ、あれでビッチだったらブチギレますけど、ご令嬢ともなれば本物のお嬢様でしょうし、漸く理想の女性に巡り会えるかもしれない上に出世街道真っしぐらも夢じゃないとなれば応援して当然ですよ」

というか漸く理想の女性に巡り会えるかもしれないんだから、会うだけでもあって欲しい。

「お前は本当に風見の事が好きなんだな」
「そりゃあ私の幼馴染ですからね。酷い目にあってるの沢山見てきましたし、そろそろ幸せになってほしいし、幸せにしてあげて欲しいって思いますよ」

裕也には癒しとなる存在が必要だと思う。

「いっそお前が幸せにしてやるってのはどうだ?」
「いやぁ、流石にガサツなゴリラ女は裕也の守備範囲外ですから」

女として見てもらえないのは分かりきっているし、別に私も望んでない。

「裕也が幸せそうなのを見るのが好きなんです」

なんたって奴は私の大切な幼馴染だ。
なんだかんだで幸せになって欲しいといつも思っている。

「まぁ、お見合い相手がまたメンヘラやらビッチだったらいつもみたいに私が間に入りますよ」

裕也が無理だと弱音を吐いたら、ですけど。
そう続けると降谷さんは「まるでお前があいつの王子様みたいだな」と笑った。
やっぱり私はお姫様にはなれないらしい。

「なら、裕也をお姫様にはしてあげれるかもしれませんね」

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結局見合いは断るし、行き遅れになる前に俺が貰ってやる。という素直じゃないプロポーズをかます風見裕也がいたらいいなぁとかそんな妄想。
素直になれない不器用な風見さんってよくないですか?

2017/07/20(03:50)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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