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▽無題
赤井妹※さざ波
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「で、何か言うことは?」
仁王立ちで私を見下ろす母さんに、震える声でありません。と即答した。
なれない正座で足がちぎれそうだ。
それもこれもあのクソ兄貴のせいだ。
クソ兄貴爆発しろ。顔面から爆発しろ。
「あら、顔にはそう書いてないけど?」
「すみません本当はクソ兄貴爆発しろって思ってました」
母の呆れたため息が静かな部屋でやけに響いて聞こえた気がした。
いいなぁ、喧嘩して殴られて自分は先に海行ってんだからあのクソ兄貴本当ずるいよな。
秀吉もさっき会ったばかりの可愛い妹も、今頃海に居るのだろう。
私だって早く真純と遊びたいのにお説教だなんてこんなのってない。
怒られるのは兄貴だけでいいのに、野郎、去り際に私を売りやがった。
「真面目に通う気がないのなら帰ってきなさい。遊ばせるためにアメリカに行かせたんじゃないのよ」
ごもっともである。
でも行きたくて行ったわけじゃないし、私だって可愛い妹が居る日本で暮らしたいに決まってる。
でもあのクソ兄貴が許してはくれないのだ。
数ある弱味は全て奴が握って居る。
あれでFBI目指してるとかどうなの?私からしたら奴は正義のヒーローっていうより悪役の方がしっくりくる。
「兄貴が何を言ったかは知らないけど、私だって日本で暮らせるのなら日本がいいよ」
「秀一には言ったの?」
「言ったけど、あのクソ兄貴は聞く耳持たないから」
「兄をそんな呼び方するのはやめなさい」
「…はい」
「それと、もっと女性らしく品のある言動をとりなさいとあれ程言った筈だけど?」
「はい、すみませんでした」
母さんは言動に関して少し厳しいところがあるから、母さんの前ではもう少し気をつけてないと駄目だな。
ーーーーーー
「なんて顔してるんだよ」
「うるせー」
結局始めた会った可愛い妹は、無愛想なクソ兄貴にキラキラした瞳を向けて居るなんてオチ、面白い訳がない。
やきもちか。と笑う秀吉がまた腹立たしい。
テメーの眼鏡割るぞこの野郎。
「そう拗ねるなって。真純だってお前に会えて喜んでたろ?」
「そうだけど、そうじゃないんだよ。だってあいつ真純が必死に笑わそうとしてんのに愛想悪いし冷たいし、その癖カッコつけて事件解決してお兄ちゃんかっこいいみたいなオチをかっさらっていくとか何それずるくね?ほんと嫌なんだけどなんなのあいつ」
「兄さんだってわざとあんな態度取ってるわけじゃないんだし、いいだろ?」
「よくない」
くっそー!とクッションに八つ当たりすれば、やっぱり秀吉は笑うのだ。
「なに」
「いや、やっぱお前は変わらないなって思って」
「兄貴面しやがって」
「兄貴だからな」
「あー!腹立つ!」
歳も近いしどちらかと言えば友人みたいな感覚だけど、こういう時秀吉の方が兄なんだと自覚させられるのがマジで腹立つ。
「…真純は私より秀一兄さんの方がいいのかなぁ」
「そう見えるんならお姉ちゃん失格かもね」
「…秀吉ってさ、私に対してあたりキツくない?」
「そう?」
いや、絶対そうだって。
「あれじゃないか?お前だと遠慮も容赦も気遣いもなく何でも話せるからとか」
「ディスってんの?喧嘩なら買うよ?」
「馬鹿言うなよ、お前に勝てるわけないだろ」
「よく言うよ」
どーせ将棋以外じゃわざと負けるくせに。
因みにクソ兄貴は問答無用でねじ伏せてくるからあれはあれで嫌いだ。
そもそも好きじゃないけどな!
「真純、喜んでたぞ?」
「なにが」
「お姉ちゃんに会えたって。沢山お話しするんだって楽しみにしてたのに、肝心のお姉ちゃんがこんなとこで拗ねてたら話したくても話せないだろうなぁ」
「…ちょっと出てくる」
「真純の前であんまり秀一兄さんの悪口言うなよ?」
「誰が言うがばーか!」
あんなキラキラした顔で語られたら、悪口なんて言えるわけないだろうがこの将棋馬鹿め。
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こうして真純の前では常に引きつりそうな笑顔で長男の話を聞いたり同意したりする姉が仕上がっていく。
長男も言いたいことは多いけど、同じように真純の前で悪口言ったりはしないからお互い様。
秀吉の前でだけ偶にだけど素直に弱音吐ける妹。
赤井妹ネタは大分書きたかったもの書けたので、当分はネタ切れです(笑)
2017/07/28(16:22)
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