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▽無題

赤井妹
冒頭で赤井妹のざっくりすぎる説明有
埋もれちゃったからね、おさらいも兼ねてね、ざっくりしてるよ!

赤井妹とは

説明しよう!
赤井妹は赤井家の長女(養子)にして最悪の問題児!
拾われた当初は泣き声も上げず親を困らせることもない大人しい赤子だったので両親も大人になったらさぞ大人しくお淑やかな女性になるぞと話していたのにこのZA☆MA!
どうしてこうなったとは長男の心の叫び。
世の中の善悪とか知るか私がルールだ!な悪の申し子。
腕利きハッカーでお金に目がないぞ!
金さえもらえれば犯罪組織相手でも取引するぞ!
ただし報酬踏み倒そうとする奴には容赦なく取り立てにいくぞ!
どうもレッドバンクでーす。は死刑宣告同然だから気をつけてね☆
中学生の頃犯罪組織に手を貸してハッキングやらかしてたのが長男にバレてそこから長男の監視付き生活でアメリカにも連れてかれたぞ!
唯一敵わない相手は母親なので、今までの悪事を母さんにバラすぞ。の脅しの言葉で結局長男に使われてるぞ!くたばれクソ兄貴!とは赤井妹の心の叫びだ!勿論声に出す。
コナンと長男を化け物扱いするけど一番の化け物はこの女だ!チートって呼んでもいいんだぜ?
女性に弱く、目を離したすきに無自覚にナンパしてるから長男は胃が痛いぞ!
妹の真純を溺愛するあまり、男と勘違いして服を剥いだ怪盗キッドを絶対殺すウーマンと化してるぞ!
地獄の果てまで追いかける勢いだ!わぁ、こわいね!

つまりとんでもない自己中女が好き勝手生きてるだけの話。

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以下はネタでいただいた降谷妹を口説こうとする赤井妹と、それを阻止する降谷兄

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最近、喫茶店でよく会う女性が居た。
喫茶ポアロ。
そこのアルバイトとして働いている男の事は好かないので滅多に行く事はないが、それでもその少ない来店回数全てで彼女に会うのだから、これはきっと運命だと言っておく。
そう、運命なんだから別に声かけたっていいし、運命なんだから口説いたって構わない。
因みにこんな思考回路をした野郎が女性つけ回してたらぶっとばすけど、私だからオールオッケーやつ。
自己中?知ってる。
今日も私はブレずにしたいことをする。

「おはようございます。最近よくお会いしますね!」

毎回カウンターで幸せそうに食事をしている彼女に声をかければ、不思議そうな瞳が私を見上げた。
ほんっと色白いよな、この人。
清楚系美女っていいよね。
有希子さんのような元気一杯の愛らしい女性も素敵だけど、目の前のいかにも清楚系な女性も素敵だ。

「えっと、確か前にもお会いしたことありましたよね」
「覚えていてくださったんですね。何度か此方でもお会いしましたし、スーパーでも一度だけ」
「ですよね。確かお連れの方がいらっしゃったような…」

スーパーで会った時のことを言っているのだろう。
沖矢昴という好青年の変装をしたクソ兄貴に連れ出されたのは腹立たしかったが、この人に会えたのは幸運だった。
まぁ話しかけに言った瞬間、兄貴によって引き剥がされたんだけどな!マジなんなんだろうなあの野郎。

「貴女ともっとお話してみたいって思ってたので、またお会いできてよかった。もしよろしければ今度お暇な時にでも食事とかどうですか?」
「##NAME1##さん、お仕事大丈夫ですか?そろそろ出る時間だと思いますよ」
「え、でもまだ…」
「時間ですよね?」
「…そうですね、もう行きますね」

…今、あからさまに邪魔されなかったか?
ぱたぱたと慌てたように会計を済ませて出て行く姿も愛らしかったが、今は目の前のいけ好かないイケメンに文句を言うのが先だろう。
こいつ、あの時の宅配業者だよな。くっそ性格悪そうなやつ。
その正体は公安の潜入調査官の一人とかなんとかだっけ?
あのドヤ顔とこの作られた人格は腹の底から嫌いなタイプだ。

「残念、朝から美女と話せるチャンスだったのに連絡先の交換すらできないとかマジないわー」
「彼女にちょっかい出すのはやめた方が身の為だと思いますけど?」
「私が何をしようが私の勝手だろ。下心隠せてねーんだよ優男」

盗聴器が付けられていない限り、この店の中は組織の目は向けられていない。
他で大っぴらに会うことが出来ないから、喫茶店の店内でだけはこの優男が彼女と会話できる唯一の空間なんだろう。
別にお前が誰を好きとかどうでもいいけど、私の癒しタイムの邪魔するのだけはやめろって話。

「あぁ、あともう一つ。あいつをどうしようがそっちの勝手だけど、真純には関わるなよ」
「なんのことですか?」
「そうやって真純の質問もはぐらかしやがって」

一度会ったことがあると遠回しに言った真純の言葉をはぐらかしたのは知ってんだぞこら。
まぁ別にこいつが真純に何かしたわけではないからいいけど。っていうか当たり前だけどな!!

「まぁいいや。明日もさっきの美女に会えるのを楽しみに今日は帰りまーす」
「だから彼女に関わるのは…っ、相変わらず逃げ足の速い女だな」

ばーか、お前と会話する為に来てんじゃねぇんだよ。
清楚系美女に癒しを求めて来てんだから、彼女が居ないならいる意味ないだろうが。

ーーーーーー

「赤井ぃいいい!貴様っ!自分の妹の手綱位握れないのか!!」
「…あの馬鹿がやらかしたことについては代わりに謝ろう。すまなかったな」
「なんなんだお前の妹は!人の妹口説くわ好きかって暴れるわどうなってるんだ!!」
「それについては俺も知りたい所だが、残念ながらあいつを理解できる奴は存在しないだろうな」
「そんな話はしていない!どうにかしろと言っているんだ!」
「できたらこうなってないさ。俺もあのじゃじゃ馬には困らされているんでね」
「女性口説いたりバイクで犯人吹っ飛ばしたり、お前の妹達はどうなってるんだ!!」
「真純もやり過ぎるところはあるが、アレに比べたらかわいいものだ」
「だからそんな話はしていない!!どうにかしろ!!」
「うちのも君の妹位物分かりがよければよかったんだがな」
「当たり前だ!うちの妹は昔から聞き分けもいいからな。お前のとこと違って兄を困らせるような妹ではない」
「そうだな、妹の事で呼び出しを食らうこともなかった君が羨ましいよ」

そして学生時代の赤井妹のやりたい放題に振り回された赤井さんの話を聞き、流石の降谷さんもドン引く流れ(笑)
「…お前、よく生きてるな」
「自分でも偶に思うさ」
胃の辺りを抑えながら言う赤井さん見て、うちの妹ああならなくて本当に良かった。と心底安心する降谷兄が居たり居なかったり。

対工藤姉だったら弟セコムが発動するし、沖矢昴と言う名の以下略も流石に頑張って止めに行くはず。
どうなってんだよ赤井家長女。

ーーーーーー


「おーいキャメル」

不意に肩を組んできたのは、赤井さんの妹だった。
彼女と会話を交わすことは数えるほどしかなく、ましてや二人だけで話した事など一度もなかった。
日課のランニング中に声を掛けられたこともあり、用という用がある訳でもなさそうだ。

「貴女から来られるなんて珍しいですね」
「見かけたから声かけてみただけだよ」
「相変わらず自由に生きてますね」

自由。まさしくこの言葉が似合う彼女は、常に自分の思うがままに生きている。
兄である赤井さんが妹の学生時代は呼び出しをくらいすぎて胃がやられたとボヤいていたくらい、当時は好き放題やっていたらしい。
かといって今落ち着いているのかといえばそうではなく、ただ赤井さんが妹の自由奔放さに耐性がついただけなのだろう。
相変わらず赤井さんの目を盗んでは金の為に犯罪組織に加担しようとするらしい。
そんな悪癖を治す為にも本気でFBIに入れるつもりだったようだが、彼女の自由奔放ぷりに諦めたらしい。
仕事として依頼をすれば金額にもよるが彼女は協力もしてくれるし、母親にバラす。この一言でとりあえず言うことは聞く。とのことで無理矢理手伝わせることもあるらしい。

「いつも走ってんの?」

ジャージ姿の自分にそう問いかけるのは、きっと興味なんてなくて、ただの気まぐれなのだろう。
彼女という人はそういう人間だ。
気分で生きているような、気付けば消えていそうな風船のような人。

「ええ、まぁ…」
「ふぅん」

やはり彼女の返答は興味なさげなトーンだった。
自分で聞いておいて。とはもう思わない。
自分自身、彼女のこの性格にはもう慣れたつもりだ。

「あんま気負わない方がいいよ」
「…え」

それは意外な言葉だった。

「トレーニングだから追い込みも必要だろうけど、動きを鈍らせるくらいなら気楽にいこうよ」
「…何か悪いものでも食べましたか?」
「喧嘩売ってんのか」

こちらを気遣うような言葉は普段の彼女とは思えなくてつい本音をもらせば、じとりと此方を睨みあげる顔に急いで首を横に振った。

「い、いえっ、そうではなく、その、まさか貴女からそのような言葉をかけられるとは思ってなかったので…」
「キャメル見かけて絡みたかっただけだし深い意味はないよ」
「…そういう気分で動くところは貴女らしい」
「したいことはするし、したくないことはしない。シンプルでいいだろ?」

シンプルが一番だよ。と笑う顔は一番自然な笑顔に見えた。
いつも見かける笑顔はまるでヒールの如く邪悪なものばかりだったせいか、こんな風にも笑えるのかと少し意外にも感じてしまったのは仕方ないだろう。
いつも飄々としている彼女らしいといえばらしい、か。

「そういえば貴女がこんな早朝に活動されているなんて何かあったんですか?」
「べっつにぃ?ただ?あのクソ兄貴が?幼女の盗聴ハッキングやってるサマを見るのが苦痛だったから家出だよ家出」

着信うるさいから電源も落とした。
そう言ってまるで悪戯をする子供のように無邪気に笑った顔はよく見る方の笑顔に近かった。

「大丈夫なんですか?」
「あんな優男の面下げた野郎と生活なんて気が滅入るし、たまにはいいんだよ。監視役から逃げれるわけだし?」

赤井さんの監視付き生活が長い彼女は、犯罪組織に加担しようとしなければそんな生活から解放されると分かっているのかいないのか。
ふと震えた携帯は自分のものだった。

『キャメルか』
「赤井さん?どうかしましたか?」

一言彼女に告げてから出れば、聞こえて来たのは聞き慣れた声だった。

『悪いがそこに居る悪ガキに伝えてくれ。今すぐ帰れば前回のオイタについてはなかったことにする。と』
「妹さんがここに居るってよくお分かりになりましたね」
『何をしでかすか分からんからな。常にGPSを仕込んでる』

成る程、確かに彼女の日頃の行いを考えれば納得してしまった。

「ということなので、早く帰られた方がいいのでは…?」

スピーカーに切り替えて彼女に伝えれば、その顔は酷く悔しげに歪んでいた。

「あのクソ野郎…!いつもいつも人の弱味を握りやがって…!!」

自業自得とは言わないでおいた。
どうせ言ったところで彼女が反省することはないのだ。

「あいついつの間にGPS仕込みやがった…!」

ズボンのポケットをひっくり返して追跡機を発見した彼女はそのまま踏み砕いた。

「やってらんねー!!」
「まぁまぁ、赤井さんも貴女の実力を認めた上で側に置いて居るんでしょうし」

腕利きのハッカーであり、本気を出せば出来ないことはないとすら言われる彼女は優秀な人材だ。
体も丈夫、身体能力も高い。
滅多に出さないと言われる彼女の本気は一度しか見たことはないが、それだけでも超人と言える。
神経を研ぎ澄ませて集中した彼女は相手の行動を先読みすることができるなんて、人間技を超えている。
赤井さんやあの少年を人間じゃないや化け物と評するが、彼女こそその言葉が相応しいだろう。
底知れないものを持ちながら、滅多に使わない彼女は自称一般人を名乗っているが、確実にその枠からは外れた人間だ。

「ハッキングだけならまだしも、力仕事は専門外だっつーの」
「仕事とは限りませんし、とりあえず帰った方がいいんじゃないんですか?」
「もし仕事だったら倍額請求してやる」

やはり彼女はどこまでも彼女らしい人間だ。

「あ、そーだ」
「はい?」
「これ、疲れた体には糖分って言うしあげる」

投げ渡されたのは飴だった。

「どうしたんですか、これ」
「さっき重そうな荷物持ってたおばあさん手伝ったらくれた」

世の中の善悪ではなく自分自身がルールだと言う彼女にも、人並みの優しさはある。
子供や女性、老人に関しては見返りを求めることなく、それが当たり前のように行えるのは彼女の善性だろう。
…まぁそれ以外に関してはとことん見返りを求めるが。

「二個もらったからキャメル居てちょうど良かったわ」
「ありがとうございます」
「くれたのはおばあさんなんだけどね。それ食べて程々に頑張れー」

そう言い残して後ろ手にゆるく手を振って去っていく背中は、何故かかっこよく見えてしまうのだ。

「…本当に、不思議な人だ」

言動はヒールそのものなのに、常に堂々としている彼女はやはりかっこよかった。

ーーーーーーーーーー


「どーもー、毎度お馴染みレッドバンクでーす」

緊迫した空間に響いたのは、最早聞き慣れた声だった。
怠そうに間延びしながらもはっきりと耳へ届くのは彼女の金への執着心故か。
隣でその保護者が諦めたようにため息を吐くのが聞こえた。

「目を離したすきにまたやらかしたな」
「いいの、あれ」
「少なくともこの場はおさまるだろう」

小声でそう語りかける沖矢昴…赤井さんは完全に諦めていた。
金が絡めば手に負えん。と傍観を決め込む姿はどこか疲れているようにもみえた。

「契約時にちゃあんと支払期日は守れっつったよな?あ?ナメてんのか?ルールはまもりましょうねぇお客サマァ?」

ルール破りばかりのあんたがそれ言うか?

「なんでこうくだらない事ばっかすんのかなー。別にいいよ?金さえくれれば。報酬さえちゃあんと支払われれば何も言わないよ。でも指定した口座に1円も支払われてないんだよなぁ。どう言う事だ?ん?おかしいよな?つまりお前らは踏み倒そうとしたわけだ。あとはどうなるかわかるよな?」

にやり。と凶悪に歪んだ笑みに子供が泣き声をあげた。
…あんな顔見たらそりゃ泣きたくもなるよな。

「お前らのせいで子供ないてんじゃねーか!」

ええええ流石にそれは理不尽だろおい!!
看板で犯人達の頭を殴り飛ばした元凶は、まったく、と呆れた声を出していたが、泣かしたのはテメーだよ。

「ルールは守らない、子供は泣かせる。ったく何やってんだよ金払え」

完全にブーメランであることに気づいてないのか?…ないだろうな。
おまけのように付けられた最後の台詞こそが彼女の一番の本音だろう。

「っていうかなんでいつも報酬払われてないの?」
「人を見る目に関しては節穴ですからねぇ。仕事相手は選べとあれ程言ってきたのに、彼女馬鹿ですから」

それはとても爽やかな笑みだった。
…相当苦労させられてんだな、この人。

「ここから先はR指定だから良い子のみんなは目と耳を塞ごうね。おねーさんとのお約束だ」

気怠げな声で淡々と述べてから、始まるのは制裁と言う名の拷問だろう。
それぞれの親が自分の子供の目と耳をふさぐ中、そっと自分の耳にも手を当てて目を閉じた。
あれは別に見なくてもいいだろう。
耳を塞ぐ寸前に聞こえてきたのは、あの馬鹿が。という保護者の苦々しい声だった。
…心中お察しします。

ーーーーーーーーーー

真純があのガキを助ける為に犯人の頭をバイクで吹っ飛ばした。と聞いたのは最近の事だった。
普段ならよくやった!と褒め称えたいところだが、犯人は女性だったらしい。

「真純、私の言いたい事わかるよね」

真純達が借りているホテルの一室でそう語りかけるのは、愛しの妹にだ。

「確かにやり過ぎたかもしれないけど、でもあいつコナン君を危ない目に合わせたんだぞ!」
「だからって女性の頭をバイクで吹っ飛ばすのは駄目だよ」
「ほぉ、お前が真純に説教とは明日は槍が降るか?」

母さんは黙ってて。私はちゃんと叱れるお姉ちゃんでもあるんだぞ。
愉快だとでも言いたげに笑ってソファーに寛ぐ母はこの状況を楽しんでいるに違いない。
あの顔は私が折れると思ってるな。

「姉さんはそうやって男とか女とか言うけど、悪い奴に男も女も関係ないだろ!?」
「正論だけどお姉ちゃんはそれを認めることはできません」
「なんでだよ!」
「女性は頑丈にはできていないんだよ。顔に傷一つつくだけでも、男に比べて生き辛くなる。全てにおいて平等ってのはただ横一列に並べて考えることじゃない。それぞれのハンデを考慮する事が平等なんだ」

叱られて肩を落とす様に胸が痛むが、伝えるべきことはきちんと伝えなくてはならない。

「でも僕は、姉さんがコナン君と同じ目にあっても同じ事をすると思う。だって僕にとって大切な人だから」

…ああ、女神には敵わないかもしれない。

「落ちたな」

母さんの一声に力強く頷きたかった。

「それでも姉さんが駄目って言うなら、次からは気をつけるよ」
「っ、真純ぃいぃぃごめんねぇええええ!!!!お姉ちゃん言いすぎちゃったよねごめんね!!!でも次からは気をつけようね!!!お姉ちゃんも気をつける!!!!」
「茶番は終わったようだな」

茶番って…しかしこの母に言い返せる言葉など持ち得ていない私は静かに頷くだけだった。
この女性陣に私が敵うわけがない。

「で、お前は真純が誘拐されたら犯人をどうするんだ?」

学校へいく真純を見送って二人きりになった部屋の中でされた質問。
考えるまでもなく

「死よりも辛い地獄を見せてやる」
「お前も真純のことは言えんな」

私の女神であり天使でもある真純に手を出す方が悪いに決まってる。

「大丈夫、私がルールだから」

ニィ、と笑って見せれば、母は呆れたようにため息を吐き出した。

ーーーーーーーーーー

料理は別に嫌いじゃない。
食べたいものを食べたい時に作れるのは便利だし、悪くない。
一番は酒のつまみ作ってる時が好きだ。
手の込んだものは面倒だからやらないけど。

「ポテトか」
「手伝わないなら来んな」
「皮むきくらいはしてやる」

優男の面を被ったまま隣に立たれると気味が悪くて仕方ないが、酒はこいつから貰うし我慢した。

「ピーラーはどこだ」
「切れ味悪いから処分させてもらった。有希子さんの許可済み」

…包丁で剥くのは面倒だという空気でこちらを見るクソ兄貴。

「嫌ならハナから口出ししてんじゃねぇ!」

じゃがいもを奪い取り、包丁でさっさと皮を剥いていく。
まじ何しに来たんだこいつ。

「小麦粉と揚げ油用意しとけ」

それくらいやれるだろと言えば、慣れた手つきで材料を用意していく。
あの兄がキッチンに立っているというだけでも鳥肌ものなのに、今では鍋持って突撃する位だから世の中何があるかわからない。
相変わらず盗聴してる兄は心底気持ち悪い。
幼女は奴を訴えるべきだと思うし、その時は私も全力で協力しよう。

「それキッチンペーパーで拭いてから小麦粉つけて揚げといて」

わざわざ買わなくてもじゃがいも切って揚げるだけでできるからポテトは楽でいい。
あとはどうするかな。
カクテル作ろうか…いや、もう一品くらい欲しいな…

「お、トマトにモッツァレラチーズか。あとはオリーブオイルと…ん、餃子の皮?じゃあピザも作るか」
「流石だな」
「中途半端に食材余らすからだろ」
「どうせお前にかかればすぐなくなるだろ」
「勿体ないんだから当然だっての。つーか分かってて残すのやめろ」

ポテトに関しては完全に兄貴に任せながら、オーブントースターで餃子の皮にチーズやケチャップを乗せたものを焼いていく。
その間にトマトとモッツァレラチーズでカプレーゼを作れば時間の無駄もない。

「で、ポテトできた?」
「ああ、今揚げ終えた所だ」
「じゃあ全部運んどけ」

焼きあがったピザとカプレーゼも押し付けて、あとは自分の酒を作るのみ。
ロックは飲めないからカクテルやハイボールにすれば完璧だ。

「アイスはどうするんだ?」
「馬鹿じゃねぇの?買え!」

子供か!!
甘えてんじゃねーぞクソ兄貴。
つーか今から作ったって直ぐ食べれる訳ないんだからコンビニ行け。

「なら頼んだぞ」
「死ねこの野郎!!」

千円札を握らせて去っていく背中に飛び蹴りをかましてやりたかった。
くそ、弱みさえ握られてなきゃこんな目に合わなかったのに…!!
偉大なる母に全てをバラされるのだけは阻止しなくてはならない。

「クソ兄貴め!!」

結局買いに行くことになるのだが、これくらいの悪態は許されるだろう。
玄関先から大声で叫んでやった。

ーーーーーーーーーー
後日哀ちゃんに近所迷惑だと叱られる赤井妹。
学生時代ほんのすこしだけレストランでバイトしてたから料理できるとかそんな理由。
明美さんとの出会い話はまた書けたらupさせていただきますね…!


2017/08/23(13:37)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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