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▽無題

もしも沖矢昴が実在する人物だったら。



沖矢昴(本物)
他界済み
見た目も声も性格も、基本的には赤井が変装する沖矢昴とほぼ同じ。
道路に飛び出た子供を救い、身代わりとなりトラックに跳ねられた。
当時27歳の大学院生
米花町とかなり離れた場所で生活していたため、妹だけが赤井扮する沖矢昴の存在に違和感を感じている。

沖矢妹(二十代半ばくらい?)
本庁の一課の刑事
高木の同期
佐藤刑事にはよく面倒見てもらってる妹的存在
移動に伴い居住を米花町へと移した。
駆けつけた事件現場に居た沖矢昴に驚き、思わず胸倉掴んで「お前は誰だ!!」と取り乱した。
見つけた瞬間頭に血が上ったのは、死んだ兄が居るわけがない、誰かが変装して居るに違いないと思ったから。
それを直感的に兄の死を冒涜する行為だと思ってつい胸倉掴んじゃった血の気の多い人。
本来は冷静かつ必要な事しか喋らない口数の少ないタイプ。
血の繋がった兄である昴に想いを寄せていた上に、完全に消化しきれていない時に赤井扮する沖矢昴に出会ってしまって困惑中。
偽物って分かってるから当たりがキツめ。

ーーーーーーーー

目眩がした。
懐かしい顔、懐かしい声、それは確かに私の兄のものだった。
もう二度と、見ることのできない姿だったのに。

「…して…」
「どうした?」

震える声で呟いた声に、近くで聞き込みをして居た高木が問いかけるが、私の視線はある一点に奪われていた。

「誰だお前…っ!!!」
「あ、おいっ!」

制止する腕が触れる前に、駆け出した足は視線の先へと一直線に向かっていく。
嘘だ。
居るはずがない。
だってあの人は、
私の好きなあの人は

「兄さんの顔したお前は誰だ!!」

周りの声など聞こえない。
この耳は、この目は、目の前の偽物に集中していた。
ふざけるな。
居るはずがない。
他人の空似だなんてもので済むレベルじゃない。

「あの、どなたかと勘違いされているのでは…?」
「ーーっ!」

その声も、その顔も、確かに記憶に残る兄のものそっくりなのに、どうして。

「昴さん!」
「昴、だと…?」

ふざけるな。
ふざけるなふざけるなふざけるな!
それは私の兄の名だ!!

「僕は沖矢昴です。残念ですが貴女のお兄さんとは別人ですよ」

どの口がその名を名乗るというのか。
どんなつもりで名乗っているのか。
その名が、その声が、その顔が、私の兄の沖矢昴であるというのに。
怒りで目の前が赤く染まる、というのはこういうことなのだろう。

「やめろ!!」
「はなせっ!沖矢昴なわけがない!!沖矢昴が居るわけがない!!!」
「落ち着け!!」
「離せ高木!!!」

後ろから羽交い締めにするように男から私を引き剥がす高木に頭突きを食らわせれば、拘束が緩んだ。
その隙に腕をすり抜けて再び男へと詰め寄ろうとしたその時、

「いい加減にしなさい!!!」

ぱしん。とかわいた音が響いた。
そしてじわりじわりとやってきたのは右頬の痛み。

「…だからって引っ叩きます?」
「あんたが暴走するからでしょ」
「…すみません、佐藤刑事」

綺麗なお顔を鬼の形相にした先輩刑事が目の前に居た。
それにしても容赦のない一発だったんですけど。
…腫れないよね、これ。

「この子パトカーて待機させておいて。絶対に目ぇ離さないでよ」
「はいっ」
「…すみませんでした」
「謝るくらいなら最初からしない。腫れないように冷やしときなさい」

痛かったわよね。ごめんなさい。と言って自らも事情聴取へともどっていった佐藤さんに、やはり彼女には敵わないなぁと大人しくパトカーで待機することにした。

「どうしたんだ?急に怒って」

ほら、冷やしとけよ。
そう言って冷えピタと共に戻ってきた高木は本当は捜査に加わりたい筈なのに、佐藤さんに言いつけられたから私のお守りか。
…何やってんだろうな、私。

「ごめん。それとありがとう」
「お前があんなに取り乱すなんて珍しいからな。沖矢さんと何か関係があるのか?」
「…私情に囚われた。勝手して申し訳ない」
「言いたくないなら別にいいけど、佐藤さんに言われたように暫く頭冷やした方がいいぞ」
「まぁ引っ叩かれた頬冷やすのが先ですけど」
「それはお前が悪い」
「分かってるよ…はー…佐藤さんの足ひっぱった…最悪」

人の足引っ張るの自体最悪だが、相手が普段からよく面倒見てくれてる佐藤さんってのが余計やらかした感がする。

「…死者が蘇るわけがないのにね」
「どういうことだ?」
「別に。ただの独り言だよ」

偽物の化けの皮は絶対に私が暴いてやる。
あれは、あの名は、あの声は、あの姿は、他の誰でもない兄のものなのだ。
亡くなった兄の姿名前を使う偽物を、放っておけるわけがない。
それは死者への冒涜だ。
再び沸き上がる怒りを抑えるように、そっと目を閉じた。
瞼の裏に焼き付いて離れない兄の顔。
…あの優しい笑顔が好きだった。

ーーーーーーーー
色々と経て赤井オチになるのかなこれ。
でも安室さんも沖矢昴が赤井の変装って確証得る為に主人公に近付きそう。
…いや、この場合の安室さんは仕事モード全開だから赤井オチ一択かな…もしくは恋愛なしで妹の中で兄への気持ちの整理がついて終わる的なやつ。

口数少ない冷静な性格の筈が、書いてる時にうっかり設定忘れて別人になってる(笑)

2017/10/03(00:23)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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