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▽無題

スコッチ妹設定


部屋に残るベースは弾けもしないくせに大切に残されている。
いや、弾けないからこそかもしれない。
だからこそ、ディスプレイの一部として立て掛けられている。
これを弾く人はもう居ない。

「…行って来ます、兄さん」

人は遅かれ早かれいつかは死ぬ。
そう、それだけだ。
私だっていつかは死ぬ。
だから、どうせ死ぬというのなら

「私はやりたいことやって死ぬよ」

目深に被った帽子と大きめのジャンパーを羽織って家を出た。
肌を撫ぜる風はひんやりと冷たくて、何度か目の秋を迎えていた。

ーーーーーー

スコッチの実妹。
歳は少し離れている設定なので現役大学生くらいかな?
一応男装主人公のつもり。
沖矢昴と絡んでもいいよね。まぁ安室さんが許さないけど。
兄の死の真相を知る為に、色々探りを入れている。
危険なのは分かっているから、一応男装して探ってる。
以下は裏切り辺りの話
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「まさかこんなところで会うとは思いませんでしたよ。どうしてこちらへ?」

最悪だ。
私は昔からこの幼馴染に勝てた試しがない。
頭もよくて顔もいい、おまけに声もいいときたらまさしくパーフェクト。
本職の人間の尋問は勿論ガチだ。
どうせ私だって分かってて言っているのだろう。

「ただの友人とのお出かけですよ」
「だとしても、事件が起きたというのに一人で出歩くのはどうかと思いますけどね」
「今この瞬間から一人じゃなくなったけどね」

深く帽子を被りなおしたところで今更だけど、そのぶん彼の顔を見なくて済むのだから無いよりはマシだ。

「それより自分は喫茶店のお兄さんがいる方が不思議ですけどね」

イケメンと死体の組み合わせは実に不釣り合いで、共に居た女性は仕事仲間だろうか。
反応やわずかに感じた違和感から、梓さん本人ではないのは明らかだ。
一旦お手洗いへと外した私をわざわざ追ってくる辺り、性格の悪さが滲み出ている。
というより、この遠回しに追い込むやり方が実に意地が悪い。

「人生は一度きり。なら私は私のしたい事をする」
「だからといって危険に身を晒すような真似は死に急ぐのと変わらない」

昔から口にしていたことを言えば、彼は射抜くような視線とともにそれを咎めた。

「…安室透とは仲良くもなんともありませんし、安室透もまた自分と親しいわけでもないのにこんなところで二人でお喋りなんておかしいと思いません?」

仮初めのお仲間に怪しまれるぞと遠回しに言えば、わざとらしく肩をすくめてお手上げのポーズ。

「なら仲良くなるしかないようだ」
「へぇ、咎める割には積極的ですね」
「目に届くところに置いた方がよっぽど安心だからね」
「なら仲良く一緒に推理ショーでもしましょうか。ねぇ、探偵さん?」

安室透の肩書きは多過ぎてどれがメインなのやら。
少なくとも今から彼が行うのは探偵としての名推理だ。
沖矢昴に江戸川コナン、そして目の前の安室透。

「まぁ自分の出番なんて無さそうですけど」

これだけのキレ者が揃っているんだ、きっと私が口を出す隙間などありはしないのだろう。

ーーーーーー
内心激おこの幼馴染の安室透くんこと降谷零さん。
多分昔から危なっかしい性格でスコッチと共に冷や冷やさせられていたとかそんなん。
ーーーー


「実に不思議な関係ですね」
「何がですか?」

とぼけたフリをする男はその腹の中で一体何を思っているのやら。

「大学院生と小学生の組み合わせが、ですかね」

江戸川コナンくん。
そう続ければ、彼はやっぱり首を傾げてみせた。
まぁ別に、この程度の発言で彼が動揺を見せるとは思ってはいないし、想定の範囲内だ。
食えないイケメンなんてのは何処にでもいるものだ。
たとえば喫茶店の優男とかね。

「そういえば喫茶店のお兄さんとは仲がいいんですか?」
「ああ、彼のことですか。仲がいい、と言うほどではありませんがどうしてそんな質問を?」
「さあ?貴方たちの間に漂う空気が不思議だったからですかね」

あの幼馴染はこの男を探っている。
それは確実だ。
潜入調査をしている彼が探っている。ということは、少なからず組織となんらかの関係があるということだ。

「まぁそんなことはどうでもいいですね!実は貴方にお願いがあって来たんです」
「お願い、ですか」
「はい。自分も博士号を取得したいと思ってまして、同じ志を持つ先輩でもある沖矢さんと仲良くなりたいと思いまして。だめですか?」

色々お話もしたいですし。とあくまで人懐っこい後輩を演じて見せれば、彼は少しだけ考えるような仕草をみせた。
どうせポーズだけだろう。
彼もまた、私という異質な存在への違和感を感じ、そして探ろうとしているはずだ。
互いが互いに近づけば、双方のメリットとなる。
まぁ勿論、互いの手の内を明かされそうなデメリット出るが、この方法がお互い一番手っ取り早いだろう。

「ええ、僕でよければ構いませんよ」
「それはよかった。では早速、明日の午後にお伺いしてもよろしいですか?」

工藤邸。
それは彼のテリトリー内であり、彼を知る手かがりにもなる。

「では明日の午後、お待ちしてますね」

成る程、断らないということは、それだけの何かがあの家にあるということか。
もしくはあの家でなくてはならない何かがある。

「ではまた明日」
「ええ、また明日」

腹の内で何を考えているかなど表に出すわけもなく、互いに和かな笑みを浮かべて別れた。
ねぇ兄さん、兄さんは私がこんなことをしているって知ったらきっと怒るんだろうけど、ごめんね、やっぱり私は自分で知りたいと思ったんだ。
あの幼馴染もきっと怒ってるだろうし、どうやって私を遠ざけようかと思案しているのかもしれない。それとも一度決めた事は絶対にやり通すって知ってるから、呆れてるかな?

「…さむいなぁ」

ふぅ、と吐き出した息は白く揺らめいて、冬が来た事を知らせるようだ。
寒さでひりひりと痛む指先。
兄や幼馴染の首に押し付けては怒られていたのを思い出した。
あの日々にはもう戻れないのだろうか。
…一人でも欠けてしまったら、それはあの日々と同じにはならないのだろう。

「…っし、もうひと頑張りだ」

ぱちん、と冷えた頬を叩いて前を向けば、もう大丈夫。
振り返るのはたまにでいい。
立ち止まるのもたまにでいい。
前を向いてひたすら足を進めるんだ。
たとえ小さな一歩でも。
ゆっくりと踏み出す一歩でも。
進む事には変わりない。


ーーーーーー
スコッチ妹はメンタル強かったらいいなぁ。
落ち込みそうになったら頬をぱちんってして、大丈夫、前を向け!って切り替える。
多分幼馴染にも頬を叩いて私を見ろ!とか胸ぐら掴んで言いそう。
というかそんなシーンを書いてみたい。
ーーーーーー


乾いた音が響いた。

「私を見ろ!!」

腹の底から吐き出された声。

「振り向くな!」

喉が張り裂けてしまうのではと思うほど、張り上げられた声。
彼女にたたかれた頬がじわじわと熱を帯びていくのを感じた。

「今は私だけを見ろ」

真っ直ぐと射抜くようにこちらを見つめる瞳は昔と何も変わらない強さを秘めていた。

「…相変わらずの気の強さだな」
「そっちがメンタル豆腐なんだよばーか」
「だからって引っ叩くか?」
「あれ、プレイボーイのイケメンくんは慣れっこじゃないんですか?」
「いい加減怒るぞ」
「冗談。笑ってますよおにーさん」

握りしめるように掴まれていた胸倉から手を放して笑う顔も、昔から一つも変わっちゃいない。
あいつによく似た笑い方をするのは、兄妹だからだろうか。

「イケメンハイスペックにヤンデレ属性は一定の層から多大なる人気を獲得しそうですが、私はノーマル派なんで」
「なんだよそれ」
「闇堕ちは勘弁って話」

普段はウィッグ下に隠れている長い髪を風に揺らしながら笑う姿は、いつか見た姿と同じだった。

「で、いつまで人の上に乗ってるつもりですか?」
「これは失礼。あまりにも貴方が女々しかったものだからつい。ファンに刺されたらたまったもんじゃないから直ぐに退きますよ」
「いつも一言余計だ」
「あれ、安室さんってもう少し優しい話し方をされてませんでしたか?」

からかうように吐き出された言葉。

「俺の知るお前は可愛らしい女の子の筈だったんだけどな」
「…そういうとこ本当に嫌い。マジで髪切ろうかな」
「あいつが悲しむな」
「…はいはいどうせ私はブラコンだよ」

女の子扱いを嫌うこの幼馴染は、幼少期に自分で髪を切ろうして兄に止められた事がある。
あの時のこの兄妹の姿は今でも鮮明に覚えている。
悲しそうな顔で止める兄に狼狽えて、謝りながら困ったように俺を見る目は普段の気の強さなどびたも感じないものだった。

「折角綺麗な髪なんだ、切る必要ないだろ。俺は好きだよ」
「昔は本心っぽかったけど今は胡散臭い」
「酷いな、今も本心さ」
「どうだか」

ーーーーーーーー
みたいなね!そんな関係だよ!!
沖矢さんとも近づかせたいけどもうネタがつきたよ!!
腹の探り合いしかしなそう。

2017/10/25(21:27)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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