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▽無題

星屑で純黒ボツネタ



「東都水族館、ね」

朝一で付けたテレビに映った大観覧車。
これじゃあ水族館も遊園地も変わらないな。
まぁ水族館にテーマパークが併設されているようなものだから、一度で二度お得って感じで家族連れにはもってこいだろう。
画面に映る人達も子供連れが多いし、さぞかし大儲けをしているんだろうなぁ。
イルカのショーはやってるみたいだけど、ヒーローショーとかはやってないのかな。
以前抱き枕をお釈迦にされてからというもの、グッズからは離れたが好きなものは好きなんだから仕方ない。
アラサー女子が一人でショー見に行くの恥ずかしいのなら、手頃な少年捕まえればいいだけだしね。
江戸川コナン君とか江戸川コナン君とか江戸川コナン君とか。
まぁ彼一択だよね。
彼を引き連れれば他の子達も釣れるだろうし、純粋な子供たちならば一緒に楽しんでもくれるだろう。

「…って、人混みだからキツイかぁ」

土日は無理だし、世間の休日はどこ行っても混むのだから、テーマパークとなれば尚更だろう。
人混みが苦手なだけで、別にテーマパークが嫌いなわけではない。
むしろ今世では好きな部類だ。
降谷##NAME1##はどうにも子供っぽいところがあるらしい。
それもこれも全ての入口はブラコンから始まったのだろう。
昔では考えられないほど、私は末っ子気質になっていた。
かといって毎日兄さんに会いたい!なんて子供みたいな我儘は言わないし、そんな欲もわかない。
だってちゃんと側に帰って来てくれるのだから、不安がる要素はどこにもない。
それが分かってるんだから、待つのは苦じゃない。
暫くは会えないかもしれないって言われるのも馴れたし、ポアロのバイトを急に休んだりという場面にも出くわしている。
数日間連絡つかない事だってあるし。

「…分かってるから待てるんだよなぁ」

これがもし、あの頃みたいに会えないかもしれないって不安な状態のままだったら、こんな風に待つ事なんて出来なかったかもしれない。
それにただの一般人で尚且つ人より貧弱な私にできることなんてタカが知れている。
変に首を突っ込んで兄の足手まといになったり、心配を掛けるような真似だけは絶対にしたくないから、私は大人しく兄の帰りを待つだけだ。
仕事の話も聞かない。
全部終わったらちゃんと話してくれると言ったから。

「…ん?」

ふと携帯に入った着信。
どうやら送られてきたのはメールらしく、相手はコナン君だった。
添付画像には銀髪オッドアイの美女。

「…どこかのモデルさんかな」

文章に目を通せば、彼女が記憶喪失で迷子らしいということが書かれていた。
…あの子って何かしらの事件と縁があるよね。お祓い行った方がいいんじゃないか…
添付画像の彼女の服はよれていて、髪も少しだけ乱れていたし、掠り傷も見て取れた。
念の為病院連れて行った方がいいんじゃないかな…昨夜事故もあったみたいだし、もしそれに巻き込まれたショックで記憶喪失にってこともあり得なくはない。
人はどこでどんなショックを受けるか分からない。
何が引き金で記憶を失うかもだ。
気付けばコナン君に電話をかけていた。
面倒事だけは勘弁してくれと思いながらも、自分から首突っ込んでしまうのだから私も人の事は言えないらしい。

『あ、もしもし##NAME1##さん?』
「君、すっごい拾い物したね」
『拾い物って…彼女のこと何か分かる?』
「その言い方だとまるで私が彼女を知ってるみたいだね」
『だって##NAME1##さんスルーするかなって思ってたのにわざわざ電話くれたから』

人をなんだと思ってるんだこの子。

「私の仕事何か知ってて言ってるのかな?」
『小児科医でしょ?』
「その前は総合病院で働いてたの。で、色んな科を回されていたから大人も診れます」

研修医時代は内科や外科も行かされたし、研修後は暫く外科に居たからオペだって経験済みだ。
当時の教育係りは優秀かつスパルタだったから、大分叩き込まれた。
他の事考える余裕が無いくらい仕事に熱中して兄さんのこと考えて毎日落ち込む、なんてこともなかったから当時の私は苦痛に感じた事はなかったけど。

「念の為病院連れて行った方がいいんじゃ無いかな」
『でも彼女大丈夫そうだし、このまま病院連れて行ったら警察に連れて行かれるかもしれないから』
「むしろその方が彼女も安全でしょ」
『警察は嫌みたいなんだ。だから暫くこっちで彼女の知り合いを探してみようってことになって…』
「…今何処にいるの」
『東都水族館だけど…まさか##NAME1##さん来てくれるの?』

警察嫌で病院も行けないなら行くしかないよねこれ。
一応医者だし、怪我してないかも気になるし、何より大人という存在は多いに越した事はない。

「着いたら電話するから、ちゃんと出てね」
『うん、ありがとう##NAME1##さん』

アトラクションの列に並んだりしない限りは満員電車並の人混みに巻き込まれる事もないだろう。


ーーーー

「…ショーか何かかな?」

着いた途端に何やら騒がしいと思えば、宙を舞う銀髪美女の姿が視界に入った。
…ええ、あんなに動けちゃうんなら全然元気じゃないですか私要らなかったね。
思わず唖然と彼女の動きを見ていれば、どうやら元太君を助けるために飛び出したらしい。
無事に助けられた元太君と、笑いかける銀髪美女。
…強いなぁ。
誰かを助ける為に冷静な判断とそれを実行するだけの能力が彼女には備わっているのだろう。
だからこそ、あんな風に身をていして子供を助けることができる。
私には到底無理な事だった。
あれだけの騒ぎにもなれば念の為医務室へという流れになるのも当然だろう。
暫く出口付近のベンチにでも腰掛けて、落ち着くのを待っていよう。

「もしもしコナン君、一応着いたんだけど医務室行くなら大丈夫そうだよね?」
『##NAME1##さん今何処にいるの?』
「出口付近のベンチ。とりあえずは此処にいるから、何かあれば連絡してね」

あの位の混み方なら大丈夫だろうけど、子供たちと一緒にはしゃげる元気はない。

『その事なんだけどさ、来てもらって申し訳ないんだけど、もう大丈夫だよ』
「私は着いたばかりで大丈夫じゃないから暫く休んでるよ。だから、何かあったらすぐに連絡してね」

面倒事は嫌なはずなのに、こうやって言ってしまうのは性分ってやつだろうか。
だってあの子見ててハラハラするんだもんなぁ…もう少しあの子は大人を頼る事を覚えた方がいいと思う。

ーーーーーーーー

という純黒ネタを考えていましたが、どう考えても妹の出る幕はないのでボツになりました。
ここで妹かかわっちゃったらお兄ちゃん精神的に追い詰めちゃうだろうしね!!
そこまで好奇心旺盛でもなければ、兄が心配だからと飛び出すタイプでもないはず。
自分の非力さは自覚済みな上に、兄さんなら大丈夫。という信頼があるので、多分大人しくしてる。

2017/10/30(19:01)


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※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
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